30000HIT御礼企画
□小型犬、イヴ
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※男主注意
俺の愛犬、イヴはそれはとても愛くるしい子犬だ
茶色でストレートの毛並み、それなのにイヴに合う色は赤色で、どこか不思議な雰囲気があるのだ
「ほーらイヴ、新しい首輪だぞ」
そう言いながら一目惚れしたバラがあしらわれた真っ赤な首輪をイヴにつける
このバラがチャームポイントだ、首輪と同じ色をした真っ赤なバラ……イバラは白で綺麗に書かれている
その首輪のデザインを少し眺めながら、付けるのを待っているイヴに一言言って付ける
やはり、俺の目に狂いはなかった、イヴには赤が似合う、そして白く書かれたイバラが中心にあるバラを引き立てる
「完璧だ……」
思わずそう呟きながらイヴを抱きしめ、膝に乗せる
イヴは少し嫌そうな雰囲気を出したが、俺が離さないのを感じ取ったのか大人しくなった
イヴを抱き締めながら俺は横になる、すると疲れていたのか眠気が襲ってきたのでイヴを抱き締めながら目を瞑る
抱き締める力が弱まったからかイヴはイソイソと俺の腕から這い出ていまったがそのまま意識を飛ばす、イヴはいい子だから脱走なんてしないだろう
ペチペチと頬を軽く叩かれた感じがして目が覚めた、そして見えたのは見覚えのない可愛らしい茶髪の女の子だった
そして、その女の子は何故か俺のパーカーだけを羽織っている、そして犬のような耳と尻尾、首輪を付けている
一体この子は誰なのか、一体どんなプレイをしているのか……そんな疑問が浮かんでは消えていく
沢山の情報を処理しているため、唖然としている俺を見て女の子は首を傾げた、そして子供らしい可愛い声で
「マスター……ボーッとしてどうしたの?」
と、俺の名前をズバリと当ててきた、そんなことにも俺は驚きを隠せなかった
「あ……あの……どこの子?」
自分でも情けない声が出たと思ってしまう、こんなヘタレな奴だから彼女ができないんだ!!
なんて少し現実逃避しながらも俺はしっかりと女の子の視線に合わせて座る、すると女の子はキョトンとした顔で俺の方を見た
なんだか表情が愛犬のイヴに似てるな、なんて思いながら女の子の返事を待った
「……マスター、私の事忘れちゃったの?」
「なッ……えっ?」
「忘れたんだ……」
「いやいやいや!!泣かないでぇ!!あッ!!えっと……近所の井上さんの子かな?」
「…………マスターなんて嫌い……私にこんな首輪付けて……」
「え"……首輪……その首輪俺が付けたの!?」
女の子の衝撃的発言に俺は思わず絶句してしまう、俺がこんな少女に無理矢理首輪を付けただと……!?まさか!!俺はそんな趣味はないし、ましてや寝ていたしありえない!!
そうは思ってもこの女の子は本気なようで俺の事をジトリと見ていた
「……マスター、私はずっとマスターと一緒にいたんだよ?」
「え……いや……この部屋は俺だけの部屋……」
「迷子になった時もマスターは私を見捨てないで埃だらけになっても探してくれた、マスターが仕事に行っている間に私が寂しくならないように新しいおもちゃも沢山買ってくれた」
「…………」
「それなのに……忘れちゃったの?」
「……君は……」
女の子の言葉に俺の頭の中である仮定が浮かんだ、しかしそれは明らかに現実的ではなくとても奇妙な仮定だ、しかし、俺が寝ている時に動いたりしていたならこの仮定は妄想で終わるだろう
だが、俺には少し確信があった、間違えだとしても俺が異常な奴だと思われるだけだから別にいい、そう思いながら俺は女の子の名前を呟いた
「イヴ……」
俺が愛犬と同じ名前を呼ぶと、女の子……イヴはゆっくりと頷いた
やはりだ、原理は良く分からないがこの女の子は俺の愛犬イヴだ、確かにイヴが迷子になった時は死に物狂いで探したし、仕事に行っている間少しでも寂しい思いをしないように沢山のおもちゃも買った
信じ難い事かもしれないがイヴは女の子になったのだ、恐らく俺があげた首輪で……
「イヴ、悪かったな、お前の飼い主なのに気が付かなくて」
「……ううん、いいの、私もビックリしたから」
「イヴ、抱き締めてやる、こっち来い」
「マスターのハグって苦しいんだけど、好きだよ」
俺の愛犬イヴと話した後、両手を大きく広げて抱き締めてやると言った、するとイヴは少し困ったように笑いながらも俺の方に来てくれた
俺はしっかりとイヴを抱き締め、また新しい服を買わないとな、なんて思っていた