10000HIT御礼企画

□18、腰
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18、腰


腰が重く、半ば引きずるような形で廊下を歩く、するとズルズルと物を引きずる音がする

そして私はまた、溜め息をついて、振り向くのだ


「筆頭……重いです」


私の腰に張り付いている変態と言う名の武将、伊達政宗……私の上司だ

そんな筆頭が何故、私の腰に張り付いているのか、罰ゲームでもしているのかと思ってしまう

後少しで私の部屋なので、それまで筆頭を引きずる、これを片倉様に見付かったらおそらく私は死ぬだろう


「ん?ナマエ……」


見付かった

普通このタイミングで廊下を歩く片倉様に出会う筈がない

しかも、正面ならまだ誤魔化せたのかもしれないが、横の姿を見られた

今片倉様には私はどんな風に見えているのだろう、筆頭を引きずり回し、ゆくゆくは天下を取ろうとしている反逆者だろうか


「か……片倉様……あの、これは……」

「…………」


無言の圧力をかけてくる片倉様、そんな片倉様に必死に弁解しようとした時、まるで服を脱いだ時のような開放感が私の腰を襲った

何事かと目を白黒させていると、腰に柔らかい感触がした


「なっ……!!政宗様!!」

「……ん?」

「小十郎礼を言うぜ、お前に気を取られていたから難なくナマエの腰にkissする事ができた」


柔らかい感触が来たかと思うと、すぐさま開放感は無くなった

そして、まだ私の腰にしがみついている筆頭がドヤ顔で片倉様にちょっと意味が分からない事を言った

腰に引っ付いているくせに、ドヤ顔で何を言っているのだ筆頭


「……あの、筆頭……」

「Ah?」

「今何を……?」


体を捻り、筆頭を見下ろしながら何をしたのか聞くと、筆頭はニヤリと犬歯を見せながら笑い


「kiss……接吻だ、ナマエの腰に接吻をしたんだよ」


と、ケロリと軽く言ってきた、その言葉に目の前にいる片倉様がはしたないと騒ぎ立てた

騒いでいる片倉様とは対照的に私の頭の中はグルグルと混乱していた

なぜ接吻!?なぜ腰に!?なぜ私に!?

その三文字が頭の中を占領していく、まるで敵武将に領土を攻められた気分だ


「……ナマエ、おいナマエ」

「……なんですか?筆頭」


ボーッとしていると片倉様に引っ張られながらも私の腰にしがみついている筆頭が名前を呼んできた

と言うか、筆頭のせいで私の腰は片倉様に持っていかれそうな勢いなんだが

激痛に耐えながら筆頭に返事をする、すると筆頭は片倉様の力には耐えられないのか若干、汗をかきながら


「I love you……愛してるぜ」


と、言いながら今度は私の頬に接吻をしてきた

その瞬間、私は無礼とは思いながら、筆頭の鳩尾に膝蹴りを食らわせた

片倉様に引っ張られ、私に鳩尾を蹴られた筆頭は変な声を上げながら、若干飛びながら私の腰から離れた

相当な力で引っ張っていたのか、片倉様が手を離してしまった瞬間、筆頭はいつかなりたいと言っていた鳥のように大空へ舞った

人間、やればできるのだと、筆頭を地上で待ち構える片倉様を見てそう思った




腰……束縛(制限を加えて思想、行動などの自由を奪うこと)
 

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