Short2
□彼のヒーロー
2ページ/2ページ
露伴坊とも打ち解けてきた時、学校の帰りだろうか制服を着た少年達がぞろぞろと道を歩いているのが見えた
そう言えば久しぶりに母校に行ってみようかななんて思ったが、あの頃の自分とは思われないだろうと思いその考えを振り払った
「……そう言えばナマエはなんであの写真でリーゼントだったんだ?」
「ああ……話せば長くなるんだが、まあ学生時代リーゼントしててなノリでだけど」
「……リーゼントを見ると嫌な奴を思い出す……最近会った奴なんだけどな」
「今時リーゼントか、凄いなソイツ」
ふと露伴坊が俺の事について触れてきたが正直な所あの頃の俺の事はあまり思い出したくない今になって結構恥ずかしくなってくる
その時出てきた今時リーゼントの人の事が気になったが露伴坊が苦手な人らしく詳しく聞く事は出来なかった
まだ露伴坊と話したくて追加注文をした時露伴坊の知り合いだろうか結構身長が低い男の子が露伴坊に話しかけてきた
「どうも露伴先生」
「康一くんじゃあないか!!」
「ええ」
明らかに温度差がある気がするが露伴坊はこんな人と知り合いなのかと少し意外な感じがした、ふと男の子がこちらを見たので簡単な自己紹介をした
ペコリと自分の名前を言いながらお辞儀する広瀬君に、きっとこの子は年上とかに好かれそうだと思った
「康一、そっち席空いてるか?」
「あ、仗助君」
広瀬君を呼ぶ声が聞こえた瞬間露伴坊の顔が引き攣ったのが見えた、何事かと思い声がした方へ振り向くとそこには酷く懐かしささえ感じる髪型が見えた
かつての俺も青春を共にした髪型、リーゼント……自分の目の下辺りまで陰がかかるほどの大きさも俺が昔やっていた位の大きさだ
そこで露伴坊の顔が引き攣ったのが理解出来た、これがあの今時リーゼントの人だと分かった
「ん?露伴と……誰ですか?」
「あ、ああ俺はナマエ、露伴坊とは昔の馴染みって感じだな、今さっき杜王町に来たんだ」
「へぇー、よろしくっスナマエさん、俺東方仗助っス」
先程の広瀬君と同じような会話をした後、東方君の後から虹村と言う人も来て広瀬君と三人で俺達の隣の席に座った
よく見ると三人とも学ランを着ているので学生らしい、こうして見ると結構大人びている気がする
学ランとリーゼントに懐かしさを感じているとふと、あの雪の日の事を思い出した、あの男の子はどうなったのかと少し気がかりになってしまう
きっとあの子は今頃自分の命を助けてくれた医者に憧れて医学部にでもいるのだろうかかんて思いながら俺は不機嫌顔の露伴坊を見ながら追加注文できたカフェラテを飲んだ