Short2

□君がいないなら意味がない
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(ジョセフ視点)


俺とナマエは所謂友達以上恋人未満って言う関係で、ほとんど一緒に居るんだけど付き合っていないと言う関係だ

俺としては付き合いたい気持ちがあるのだがそれはナマエが望んでない事なので気持ちは伝えてない……そう理由をつけているだけかも知れないけど……

小学校から一緒だった俺達はいつものように片方のクラスにお邪魔して昼を一緒に食べる、今日は二人共仲良く寝坊したので慌ててコンビニで買ったおにぎりだ、ちなみにナマエと俺は隣の家でそのお陰か一緒に登下校している

おにぎりの包装を順序通りに剥がしながら、チラリとナマエの顔を盗み見る、相変わらず整った顔立ちで俺より睫毛が長い……まあ女子の中では普通なのかもしれないが俺にとってはとても綺麗に見える

退屈な事に食べている最中は会話をしない約束なので俺はナマエに何も話さずおにぎりを頬張った


「本当にお前らって行儀いいのか悪いのか分かんねぇな」


隣で俺達の一連の動作を見ていたようで、シーザーがそう話しかけてきた、そんなシーザーに余計なお世話だと言う感情を込めながら睨みつける

ちなみにシーザーはナマエと同じクラスで最近知り合った仲だが、まだ知り合って間もないからか少し苦手だ

おにぎりを三個程食べ終え、お茶を一口飲んでから俺はようやく一息ついた


「ナマエの母ちゃんが少しマナーに厳しいもんな、結構苦労してんのよ俺」

「ほう……本当か?ナマエ」


俺の言葉にシーザーは楽しそうに相づちを打ったあとナマエに話を振った、ナマエはまだ二つ目のおにぎりを食べていたので大きく頷く事しかしなかったが、そんな行動にも俺の心臓は強く脈打った

それでも平静を装いながらまた一口お茶を飲んだ、丁度ペットボトルのキャップを閉めた時ナマエが食べ終わって、ようやくナマエ声が聞けた、だがそれは今の話の流れでは思いも寄らない言葉だった


「私、引っ越す事になった」


俺でも知らなかった事に思わずキャップを閉め切ったペットボトルを落としてしまった、シーザーも同じだったようで目を見開いている


「なっ……嘘だろナマエ……」

「ううん、本当……今朝初めてお母さんに言われて……」

「……どこに引っ越すんだ?」

「うーん……多分県外……?」


ナマエの衝撃的発言からシーザーはナマエに何度も質問をしていた、だけど俺は口も手も動かなくて、唖然と目を見開いてナマエを見る事しか出来なかった

何故朝言ってくれなかったのかと思ったが確か遅刻しそうでのんびりと話している時間はなかったんだとやたら冷静に朝の事を思い出す

結局俺はその時ナマエに何も言えずに昼休みを終えてしまった、その後の午後の授業も受ける気を無くしてサボろうかと思ったが、ナマエと一緒に帰りたくてなんとか授業を受けた

見覚えのある奴や見たことのない奴が俺の前を通り過ぎる中、俺はいつものように校門前でナマエを待った

少ししてナマエの姿が校舎から出てきて俺はまた心臓が強く脈打った、ナマエが俺に気が付き小走りで俺の方に来た時も同じように


「ごめんごめん、シーザーに質問攻めにあっちゃって……」

「……おう、まあ俺も少しは驚いてるぜ?いきなりだもんなぁ……」

「うん……私は悲しいなぁ……ほら、ジョセフとはずっと一緒にいたし……」

「まあなぁ……」


ナマエの一言一言がチクチクと突き刺さる、一言嘘だと言ってくれはしないだろうかなんてありえない事を思いながら無意識にナマエの歩幅に合わせて歩く、これも長年一緒にいるから無意識に出来るわけで、ナマエがいなくなると必要がなくなる

俺の元の歩幅ってどの位だったっけ……なんて思いながら俺は何回かナマエに質問をした

戻ってくる予定はあるのか?いつ位に戻ってくる?なら約五年俺は自由だな……もしかしたら戻ってこないかも?おいおいそれはちょっと寂しいぜ

そんな事を話しているが歩いているのでそのうちに家に着いてしまうわけで、別に明日いなくなってしまうわけじゃないのにとても辛くなった

それでも平静を装い、いつもの挨拶をしてそれぞれの家に入った、もっともっと話したい気持ちを抑えるために俺はいつもより少し強めに玄関を閉めた
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