Short2

□高みの見物
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(銀時視点)


「銀ちゃん、銀ちゃん」


柔和な笑顔で俺の名前を呼ぶナマエ、"銀ちゃん"と言うのは元々神楽がつけたあだ名だがナマエも気に入ったようでよく俺を呼ぶ時に使っている

俺本人としては呼び方なんてどうもいいと思っていた、だがナマエが俺の事を銀ちゃんと呼ぶようになってから、ドロドロと嫌なようなそうでないような感情が溢れるのを感じている

神楽が俺を呼ぶ時は全く感じない感情、それに少し恐怖心を感じてしまい少しナマエと距離を取った事もあった

だが、距離を取れば取るほどよりそのドロドロとした感情が溢れるのを感じた、なんとも言えない感情、それは次第に俺の思考回路を変えていった


「銀ちゃん最近元気ないけど……何かあった?」


心配そうにそう言いながらソファーに寝そべってる俺の頭をつついてくるナマエ、そんなナマエの顔を薄目を開けて見て、俺はゆっくりと手を伸ばした

ポンポンと頭を撫でるとナマエはキョトンとしながら瞬きを何回かしてから嬉しそうに目を細めるのだ

そんなナマエの表情を見ながら俺は反対の手で自分の頭をガシガシと掻く、またドロドロとした感情が溢れるのだ

そんな事してなんになる、ナマエが心から俺だけを見てくれるとは限らないだろ?ナマエは友人と話すのが好きなのだそんなナマエなら友人を奪ってなんになる?

そう自分に言い聞かせながら俺はなんとか自分の感情を抑える、完全にその感情をかき消したら手を離す


「ねぇ銀ちゃん、晩御飯なにがいい?」


満足したように笑い、キッチンに向かいながらそう言うナマエに俺はなんでもいいと答えながらそばに置いてあったジャンプに手を伸ばす

展開が分かっているコマを目で追いながら奥の方でナマエが独り言のように今晩の献立を決めるのを聞く

俺はこの時間が一番好きなのかもしれない、ナマエを待つ事、それは逆から言ったらナマエが俺の方に来てくれると言うこと……

複雑な考え方かもしれないが、今の俺にとってはそれが一番好きな事なのだ、ナマエが他の所に行ってしまうこと、それが嫌だからこの時間が好きなのだ

そう思いながらジャンプを閉じ、またそばに投げ捨てるように置く

丁度また俺の方にトコトコとやってきてニコニコと話し出すナマエを先程と同じように撫でながら俺はまたドロドロとした感情を抑えた

いつまで続くのか見物だが、俺は出来る限りこの感情がバレないようにするだけだ
 

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