Short2

□さんよんろく!!
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話を聞くと真っ白な承太郎と大きな星の承太郎は未来の承太郎らしく、何故か分からないがこの時代に来てしまったらしい

ファンタジーやメルヘンチックな事を話す承太郎達に私は思わず溜め息をついてしまった、とりあえず真っ白な承太郎は白太郎、大きな星の承太郎は星太郎と呼ぶ事にした


「なあ、ナマエもう少し顔をよく見せてくれ」

「あの……白太郎さん?」


白太郎さんは少し恐怖心が湧く台詞を言いながら私の後頭部をガッシリとしかし優しく包み込み、ジッと私の顔を見てきた

そんな白太郎さんにアタフタしながらどうしようかと考えていると、急に白太郎さんは眉を寄せて


「……流石昔の俺だな……眼光が鋭くてまるで狼みたいだな、それじゃあナマエが怖がるぜ?」


と言いながらゆっくりと私から離れてくれた、白太郎さんの視線の先には承太郎がまるで般若の仮面を被っているかのような顔付きで白太郎さんを睨んでいた

そんな承太郎の表情に私は思わず小さく悲鳴を上げてしまう、そんな私を星太郎さんが優しく二人から離れさせてくれた


「あ……星太郎さん」

「……ナマエ、ここは危険だ、そのうち二人はスタンドでやり合うだろう、安全な所に逃げるべきだ」

「はあ……でも星太郎さん……その、なんで私の両手を掴んでいるんですか?」

「安全確認のためだ」

「ちょっ……嘘でしょ!!だってなんか……鎖!?これ承太郎の制服についているあの意味不明な鎖ですよね!?なんで両手に!?」

「安全確認のためだと言っている」

「いやぁぁああぁあ!!承太郎!!承太郎助けて!!あ、この人も承太郎だ!!」


星太郎さんがシリアス顔で平然と私の両手を鎖で縛ったのを見て私は思わず叫んでしまった、近所迷惑になりそうだがここは身の安全が最優先だ

私の叫び声を聞いて承太郎と白太郎さんが同時にこちらを見た、そんな二人に星太郎さんは小さく舌打ちをして私を掴んでいる手の力を強めた

しかし、気が付いたら私は承太郎の腕の中にいた、どうやらスタープラチナを使って戦ったようだ


「ナマエ大丈夫か?」

「うん……でもこの鎖解けない……」

「…………大丈夫だ、似合ってるぜ」

「なんか今物騒な事聞こえた!!もう嫌だ!!」


承太郎は他の二人と同じような物騒な事を言うので私は思わずまた涙目になってしまう

承太郎が最近過保護になったのはこういう事だったのかと少し絶望しながら私は必死に鎖を解こうと動く

承太郎達はそんな私をまるで見世物のように眺めているだけだ、何故この時だけ承太郎達は団結するのだろうか


「ぐっ……うぅ……解けないぃ……」


思いっ切り力を込めているが鎖はビクともしない、と言うかどうやったら鎖をこんなに雁字搦めにできるのだ

必死にもがくがやはりビクともしないので少し諦め、承太郎に助けを求める事にした、ホリィさんが根は優しい子だと言っていたので助けてくれるだろう


「……じょ……承太郎……」

「……」

「解いてよ……だってこれ……結構痛い」

「…………」


承太郎は終始無言で私をジッと見ているだけだった、その承太郎の視線に私はビクリと身を固める

少しして承太郎は私を床に下ろした、意図がわからない行動に目を白黒させていると、何故か周りを三人に固められた


「……ナマエ悪いな」

「久しぶりでな、しばらく充電してないからな」

「……私も結構ナマエの顔を忘れそうだからな」


三人はそう言って私の方に段々と寄ってくる、そんな三人の言葉に私は思わず冷や汗をかいてしまう

きっと私はこの二人が元の時代に戻る間外の景色は拝めないだろう、きっといつも三人のうち一人が私にピッタリとくっついてくるのだろうと思い、私は早くこの二人が戻らないかと願うだけだった

結局私は承太郎達に約二週間軟禁された、身体はなんともないがメンタル面ではボロボロだ
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