Short2

□私の心も知らずに
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スージーQの晩ご飯の片付けを少し手伝い私は部屋に向かった、廊下ですれ違ったリサリサ先生から明日の修行の開始の時間を聞いてから部屋に入ると何故かジョセフが私の部屋のソファーに座っていた


「なんでジョセフが部屋にいるの……?」

「……開いてたから……姉ちゃん不用心だぜ」


ジョセフになぜ部屋にいるのか聞くと逆に不用心だと注意されてしまった、そんなジョセフの言葉に私は溜め息で返し、部屋に出るように伝えた

するとジョセフは眉毛を下げて悲しいそうな顔をした、そんなジョセフの表情に私は思わず足がすくんでしまう、弟になんて冷たい事を言ってしまったのだという罪悪感からくるのだろう

私が黙ってしまったのをいい事にジョセフはゆっくりとソファーから立ち上がり、私の目の前まで歩いてきた


「姉ちゃん……最近俺だけに冷たいよねぇン……俺寂しいよ……なんか姉ちゃんの気に障ることやったっけ?」

「……ジョセフ……」

「ナマエ姉ちゃん、俺さ、産まれてからずっとナマエ姉ちゃんと一緒にいたからさ、寂しい」

「……」

「……ナマエ姉ちゃん、理由教えてよ、せめて理由だけ」


目尻にほんのりと涙を浮かべ、私の呼び方が少し小さい頃に戻っている事に気が付き私は今までジョセフに酷い事をしてしまっていたのだと気が付いた

ジョセフをここまで悲しませてしまって情けない姉だと思いながら私は少し背伸びをしてジョセフの目尻に浮かんでいる涙を拭き取った

そんな私の仕草にジョセフは少し目を見開いて体を少し後ろにやったがその動きはピタリと止まり、いつもよりは元気がないがほんのりと笑った

涙を拭き取り手を降ろそうとした時、ジョセフはゆっくりと私の手を掴み自分の頬にくっつけた


「ジョセフ……」

「ナマエ姉ちゃん……こうやって触れてみると本当に落ち着くんだ、俺って」

「……そう……ねぇジョセフ、なんで私が怒ってたか教えてあげる」

「……なんで?」


ジョセフは私の言葉に閉じていた目を片目だけ開けて私の方を見た、そんなジョセフの片目をしっかりと見て私は何故怒っていたのか話す事にした


「柱の男から私達を守る為とは言え無理をした事だよ、いくらなんでもあれはやりすぎ……私本当に心配したんだからね?ジョセフはその結果毒薬埋め込まれちゃうし、無茶しすぎ、それで私は怒ったの」


そう言い終わると同時に私はジョセフの頬にくっつけてある手でジョセフの頬を少し抓る

痛いと言いながら私の手を離し、自分の頬を押さえるジョセフに私は


「でも今ので許してあげる事にした、ありがたく思いなよジョセフ」


と、笑いながら言うとジョセフはいつものように口元を釣り上げて笑った、しばらくジョセフは笑っていたが、ピタリと笑いを止めると

頭をくしゃくしゃと掻きながら、急に冷たくなるから心臓に悪いと困ったように言ってきた、そんなジョセフに私はこれからは絶対に過ぎた無茶はしないようにと釘を打っておいた

その日以来私とジョセフの距離はまた縮み、元の仲のいい姉弟に戻る事が出来た


「姉ちゃん疲れてねぇ?肩でも揉んでやるぜ」

「ありがとうジョセフ、でも私は……」

「いいからやらせて姉ちゃん、ちょっと姉ちゃん疲れてるみたいだし」

「いやでも……さっきも疲れてるからおんぶしてやるって言って……」

「アレはアレ、コレはコレなのよン」

「……うん……まあそれじゃあお言葉に甘えて……?」


距離が縮み過ぎたかもしれないと思うが、私達姉弟の関係は元々こんな感じだった気がする

だがやはり、前より少し過保護になった気がするが私が考えるより先にジョセフが私の肩に手を置いてきたのでそんな考えはどこかへ吹き飛んでしまった

多分この先何もなければ私達姉弟はずっとこの関係でいられるのだろうと、私はジョセフに肩を揉まれながらそう思った
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