Short2
□再会、笑顔
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※男主注意
これの続き
死後の世界は誰でも一度は想像する物だろう、例えば雲の上が死後の世界だとか、もしかすると地球上のどこかに死後の世界があるとか、宇宙がそれだとか……想像するのは十人十色、沢山あるだろう
かく言う俺は死後の世界と言うものは存在するがそこに辿り着くのは極僅かな人間だと考えていた、それは極端に善い行いをした人間等は関係無く、あみだくじの様に平等に決まるのだと
だが俺の考えはどうやら違っていた様で、死後の世界と言うものは存在するが、生前と何ら変わらない場所だった
ASB……誰かがそう言っていた気がする、俺はワムウと戦って死んでしまってから目が覚めるととある一室にいた
それがASBの控え室、俺はどちらかと言うとあみだくじで選ばれた人間の様だ
「それにしても……この空間広すぎだろ……」
選ばれたのはいいが、俺はまだこのASBの空間に馴染めなかった、と言うものの控え室から一歩も出てなかったのだ、係員から電話がかかってきてようやく外に出れる事が分かったのだから
ASBとは生前、強敵や運命と戦った人物が集められて来て、その空間でその人物達が戦うと言うある意味血生臭い空間だ、だがどうやら死にはしないようで安心して戦えるようだ
「死んでしまってからそんな事言われてもなぁ……」
溜め息混じりに呟きながら目的のエレベーターを探す、これに乗ればASB参加者の談話室に行けるそうだ、どうやら生前の仲間……シーザーやジョセフ、果てや俺の爺さんまでいるそうで、俺はそこを目指している
長い廊下を歩いていると、前方に初めて会うASB参加者が見えた、見た感じ男……か?中性的な人物だ
死んでから初めて会う人物に俺は思わず心が踊ってしまい、駆け足でその人に向かって走って行った
「あ……あの、すいません」
「ああ?」
声をかけるとその人は少し不機嫌そうに俺を見た、一瞬足がすくんだが構わず俺は道を聞く事にした
エレベーターまでの道のりを聞いた時、どうやらこの人も同じ場所に行くそうで、是非ともご一緒させていただく事にした
「あ、そう言えばまだ名乗ってなかったな、私はエルメェス、エルメェス・コステロ、エルメェスでいい」
「よろしくエルメェス、俺はナマエ、ナマエ・A・ツェペリ」
エルメェスと名乗ったその人は俺の名前を聞くとニコリと笑い握手をした、これで俺は死後初めての友人が出来た訳だ
しかし男なのにエルメェスなんて、ちょっと女みたいな名前だな……
そんな事を思いながら俺はエルメェスと廊下を歩いた、しかし話していく内にエルメェスが女だと言う衝撃的事実が発覚して、イタリア男子としてあるまじき失態を犯してしまった
幸いエルメェスに男だと思っていた事はバレていないのでこの失態は俺の心の中だけに留めておこう
「ほら、この長い廊下を進んですぐ右にあるんだぜ」
「おお……これが……」
エルメェスの言葉と同時に俺は突き当たりを右に曲がると、目の前には行きたくてたまらなかったエレベーターに辿り着いた
俺の生きてた時代には勿論こんな物はなかったから、本当にこれが人を乗せて動くのか心配だが、エルメェスは何度もこれに乗ってるようなので大丈夫だろう
俺は少しの不安と期待を胸に秘めてエルメェスと共にエレベーターに乗り込んだ