Short2

□後悔先に立たず
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いきなり少し強めに肩を揺すられ、俺は目が覚めた、どうやら昔の夢を見ていたようだ

眠い目を開けると目の前には俺とは少し色が濃い金髪が見えた、相変わらず良い色をしているなぁ……なんて思っていると


「ナマエ兄さん、目ェ覚めてるのか?ちゃんとしてくれ」


と溜め息混じりに言われ、俺は瞬きを数回してからシーザーの顔を見てヘラリと笑った、そんな俺を見てシーザーは小さく溜め息をついてそっぽを向いてしまった

少し冷たいシーザーの態度に少し傷つきながらソファーから体を起こす、シーザーはもう部屋から出ており、名前を呼んでくれるようにはなったがまだ昔のように仲良くはできない事に少し残念に思う

シーザーと一緒に波紋の修行に入ったのはいいが、シーザーは相変わらず俺とロクに話そうともしなかった、リサリサ先生に会ってから大分丸くなったとは思うが俺に対してはまだ心を許してないようだ

そんなシーザーも後輩を持ったようで、この間は帰ってきて早々地獄昇柱に落とされていたのでなにか悪い事でもしたのかと思ってしまった

そして地獄昇柱から無事登ってきたシーザーから簡単に紹介されたのがジョセフ……どうやらこれから柱の男達を倒すために波紋の修行に入るらしい

産まれつき波紋が使えるジョセフはシーザーとは少し違うタイプの人間で、なかなか楽しい奴だ

そんな事を思い出していると、噂をすればなんとやら、ジョセフがヒョコリと廊下から俺の部屋を覗いていたので手招きをすると入ってきた


「どうした?ジョセフ」

「いやぁ……シーザーがさっきナマエの部屋からちょっと怒ってるような態度で出てきたからよ」


ジョセフの言葉に俺は思わず固まってしまう、嫌われている嫌われているとは思っていたが、イライラさせて怒らせてしまうほど嫌われているとは思っていなかったのだ

固まってしまった俺を見てなんとなく考えている事を悟ったのかジョセフは慌てたように両手を振りながら


「いや!!そういうのじゃなくてだな!!なんか……自分に怒ってるみたいな感じだったぜ?」


と言ってきた、だが上手く伝わってないと思ったのか頭を掻きながらあーだのうーだの唸っている


「なんていうか……最近、シーザーがナマエの事で色々悩んでるみてぇでよ……昔よく迷惑をかけてしまったから今は一生懸命迷惑をかけないようにしてるんだけど逆に距離を置いてしまっているとかなんとか……よく師範代とかに話してたぜ?」

「……シーザーがか……?」

「ああ、俺もさっき見たのはなんだかナマエに対しての態度が悪かったから落ち込んでるみてぇな……ナマエに対して悪態をついちまう自分に怒ってるみたいな感じだった……」

「……アイツ……結構悩んでたんだな……ありがとうなジョセフ」

「いんや、いいのよン」


シーザーの心境がなんとなく分かり、ジョセフにお礼を言うといつものようにおちゃらけて返事をしながら俺の部屋を出て行った

まだ嫌われているわけでないとなんとなく思い、俺はまたソファーに寝そべりスージーQが夜ご飯を作り終わるまで寝る事にした
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