Short2
□さよなら青春
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長いような短いような一日が終わり、荷物をカバンに詰めていると、トコトコとジョセフが私に近付いてきた
「ナマエ!!朝の喫茶店の話考えてくれたか?」
「あー……うん、まあ、一緒に飲み物飲む位ならいいよ」
「本当か!?うれピー!!」
「でも前みたいに飲み物に睡眠薬入れないでね」
「……ああ、バレてたの」
周りの人からしたら耳を疑う単語が出てきたが、私はそのまま荷物を詰める作業を進める
その間にジョセフは私の髪の毛をいじったり、頬をつついたりしてくる
「よし、終わった……」
荷物を詰め終えて、思わずそう呟くと、ジョセフは喫茶店に行こうと私の腕を掴んで言ってきた、それに答えようとした時
「ナマエさーん!!帰るんスよね?一緒に帰りましょう」
と、当然のように教室に入ってきた仗助に目を見開いてしまう、いくらなんでもタイミング良すぎと言うか……やはり盗聴器でも仕掛けられているのかと心配になる
しかし、この二人の眼光を見て、そんな考えもどこかへ吹っ飛んだ
「あ、ジョセフ先輩、どうも」
「おう仗助」
「ジョセフ先輩すいません、ナマエさんと帰るんでその手、離してもらえますか?」
「ヘヘヘッ嫌だね、俺は今からナマエと喫茶店行くんだぜ?」
「あの……お二人方?」
二人は今まで見た事無い鋭い目で睨み合っていた、以前から二人はよく睨み合っていたがここまで鋭い目ではなかったのは確かだ
私が思わず二人に声をかけると、仗助がジョセフに掴まれていない私の手を掴んだ
「ナマエさん、俺と帰りますよね?いつも一緒でしたし」
「えっ……ちょっと……」
仗助の言葉に私はジョセフとの約束もあり、戸惑っていると、今度はジョセフが私を少し強めに引っ張った
「ナマエ、今日は喫茶店行くんだろ?俺と、二人きりで」
「そうだけど……」
思わずジョセフを見上げたが、ジョセフはニコニコと笑っているだけで感情が読めない、もしかして怒っているのかもしれない
内心焦っていると、二人が私にピッタリとくっついてきた
「仗助離れろよ」
「ジョセフさんこそ」
「あ……あの……お二人方の筋肉が……」
私を間に挟みながら二人は睨み合っていた、だがそれよりも私は二人の常人より明らかに多い筋肉で潰されそうだった
二人に助けてもらいたくて声をかけたが、二人の耳には届いてないようだ
「ナマエ、俺の方がいいよな?ナマエの事ならなんでも知ってるもんな俺」
「俺の方がいいっスよねナマエさん?ナマエさんの生活もスケジュールも全て把握してますし、幼馴染みですもんね?」
「や……あの……」
ジョセフは右手を絡めて握り、仗助は左手を包み込むように握り、私にそう言ってきた
迫ってくる二人に私はとりあえずこの筋肉からどう逃げようか考える事しか出来なかった
私の青春はきっと病的な愛と筋肉のせいで終わってしまうのだろう