Short2
□さよなら青春
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教室に入るとチラホラとまばらに生徒が席に着いていた、もちろん、着いてないのもいるが
自分の席にカバンを置いて用具を出していると、急に目を覆われ、視界が見えなくなった
「ヘヘヘッだーれだ」
「……わー、誰だろー」
「ナマエ、もっとリアクションとれよ」
「毎日毎日同じ事されたらそりゃリアクションもとれなくなるよ」
教室について最初にされる事はいつも決まっている、目隠しをされるのだ、しかもただ目隠しをされるだけではない
「んー……昨日の入浴剤、いつもとは違うやつか?それにシャンプー……時間がないからってリンスしなかったろ?」
このように何故か私がシャンプーやボディソープを変えるとことごとく当ててくるのだ
「……なんでわかるのさ、ジョセフ」
「んー、ナマエへの愛ってやつ?」
ジョセフ・ジョースター……私とは同級生で、小学校からの友達、かと言ってとても仲が良かった訳ではなく、話し出したのは中学からだ
いつもこのようにヘラヘラと笑い、おちゃらけているある意味ムードメーカーでもある一緒にいてなかなか楽しい奴だ
だが、明らかに友達の域を超えた行為をしてくるという想像を絶する面もある事を最近知った
「そう言えばよ、今日暇か?」
「何急に……暇だけど」
「なら帰りに一緒に喫茶店でも行こうぜ!!俺ナマエのためにいい店見つけたんだよ」
目を輝かせてそう言うジョセフを見ると、なんとなく許してしまう私がいる、しかしここで安易に承諾するとどんな危険な事が待っているのか分からない
ジョセフには悪いが、日頃の行いと言うやつだろうか……
そんな事を思いながら返事を曖昧にしていると担任が入ってきてようやくジョセフから離れる事ができた
いつも仗助とジョセフがピッタリ私にくっついているせいか、高校に入ってから友達という人物が少ないのは私だけだろう
全く居ないと言うわけではないが、中学の友達もなんとなく前より距離を置いているのが分かるのが辛い
思わず溜め息をついたと同時に担任は予定を言い終わり、教室から出て行った