Short2
□互いの気持ち
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(ナマエ視点)
「「あ」」
少しブラブラしようと思い、部屋から出ると、丁度隣の部屋からポルナレフが出てきた、思わず声が出てしまったが、ポルナレフも同じようで少し目を見開いて私を見ていた
花京院に相談したせいか、まだ少し照れくさくてその場を離れようとしたが、ポルナレフに声をかけられて止められた
私も今回の昼での件についてもう一度お礼を言おうと思っていたのでポルナレフに着いていく事にした
「……あー、急に呼び止めて悪かったなナマエ」
「別に……私も昼の件、もう一度お礼を言おうと思ってたし」
「……昼?……ああ、新手のスタンド使いのやつか、ケガは大丈夫か?」
「うん……花京院にもう一度診てもらって、結構深かったみたいだけど私自身は大丈夫」
「そうか……」
少し視線を下げながらポルナレフに軽く傷の様態を伝えると、表情は見えないがポルナレフは少し悲しそうな声を出した
そんなポルナレフの声に思わず視線を上げてしまうが、途中に見える胸筋に思わず鳥肌が立ってしまう
だがお礼というものは相手の目を見て言うものなので必死に顔を上げてポルナレフの方を向く
「……ポルナレフ……」
「んー?」
「……その……昼は助かった……手当てしてくれてありがとう……」
お礼を言ったのはいいが、肝心の最後の部分で視線をまた下げてしまった、そんな失態に思わず頭を抱えたくなったがポルナレフが思わぬ行動に出てそれは叶わかなった
ポルナレフの腕の影が私にかかった時、頭でも叩かれてしまうのではないかと思わず肩をビクつかせると、ポルナレフは何を思ったのか私の頬を両手で包み、優しく私の顔を上げた
もちろん自然と視線は交わる
「ポ……ポル……!?」
「ナマエ、お礼って言うもんは目ぇ見て言うもんじゃねぇの?」
一人焦る私にポルナレフは少し拗ねたように口を尖らせながらまさに私が考えていた事を言った
そんなポルナレフの言葉に私は一度ギュッと目を瞑って、筋肉が見えないようにした
今はちゃんとポルナレフの目だけを見るのだと言い聞かせて、目を開けるがやはり入ってしまうものは入ってしまう、思わず逃げようとしたが顔はポルナレフに固定されているので動かない
思わず涙目になった時視界が滲んで、ようやくポルナレフの目だけを見る事ができた、フランス人特有の真っ青な目、まるで空の色をそのまま目に埋めた感じの優しい色をした目が見えた
そこでようやく焦りが収まり、ポルナレフの目を見てしっかりと
「あ……ありがとう……」
と、お礼を言う事ができた、相変わらず涙目だがポルナレフは私の言葉を聞くと満足したようにゆっくりと頷き手を離してくれた
それから少し照れたように頭を掻きながらポルナレフは顔を固定した事を謝ってきた、そんなポルナレフに私はいつものように悪態をついて、部屋に戻る事にした
その日の夜はなんだかリラックスできて熟睡する事ができた
相変わらず私は筋肉を直視できないが以前よりは克服できている気がする、それはきっとポルナレフのお陰かもしれないなんて考えたが、それはありえないと思ってしまい思わず笑ってしまった
いつか、私のポルナレフに対する感情の理由が分かった時はちゃんとまた真っ青な目を見て伝えたいなんて思ってしまい、少し頬に熱が集まるのを感じた