Short2

□貴女を見てから
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廊下で倒れていたのは家具でも本でもましてやヌケサク辺りがなにか倒した物でもなかった

暗闇から薄らと見えたのはとても美しいあの黄金色だった


「ッ!!ナマエ様!!」

「ナマエ様!!」


慌てて倒れているナマエ様の元に近寄ると、呼吸が乱れてとても辛そうだった

ヴァニラにDIO様に伝えるよう頼み、ナマエ様の意識を確認する

何度も呼んでもナマエ様は全く反応をしない、内心動揺しながらナマエ様を部屋に運ぶ事にした

吸血鬼だというのに何故倒れてしまったのだろうか、いつから体調が悪かったのだろうか、そんな考えが頭に浮かんでは消えて行く


「……テレンス、ナマエの様子は……?」

「はい、今は安定していますがまだ少し意識が戻りません……」

「…………そうか」


とりあえずナマエ様の様態を安定させる事ができた、だがまだ少し意識が戻らない

それをDIO様に伝えると短く答えて部屋を出て行った、そんなDIO様を見送りながらナマエ様の方に目を向ける

さっきまでの辛そうな表情はもうなく、今は落ち着いたようにゆっくりと眠っている

思わず魅入ってしまう程整った顔つき、そして少し幼い雰囲気がするのに声色は大人びていると言うギャップ、綺麗な笑顔……それら全てに夢中になってしまう

私は誰も見てないのをいい事に眠っているナマエ様に顔を近づけた、こんな事をしてはいけないのに……そう思っても私とナマエ様の距離はどんどん近付く


「……ナマエ様……」


思わずナマエ様の名前を呟いた時、私は意を決して目を瞑った

後少しでナマエ様の頬に付く時、いきなり背後の扉が開いた、慌てて振り向いたが誰もいなかった、そしてようやく我に戻り、ドキドキと高鳴る心臓を押さえていると


「テレンス、お前はもう一度執事とはなにか調べたらどうだ?」

「ーーーッ!!」


今一番、聞いてはならない声が聞こえた、自分の頬に汗が伝うのを感じならがゆっくりと振り向くと、顔は影で隠れているが明らかに怒った雰囲気のDIO様が立っていた


「なあ、テレンス」

「……はい……」

「私は別にお前が誰に恋心を抱こうが構わない……だが、ナマエの気持ちを聞かずにそのような事をするのは許さない……今回は未遂で終わったが、また同じような事をするの言うのなら、私はお前を殺してしまうかもしれない……」

「……肝に……銘じておきます……」

「……いや、私も少し大人にならないとな……部屋に戻るとするよ」


DIO様は私に一言警告をして、また部屋に向かって廊下を歩いて行った

今度はナマエ様の部屋から私も出て、扉を閉めた

まだドキドキと鳴る心臓を必死に押さえながら、思わぬ所に難関があったと考えながら夕食の支度をするため台所に向かった

それからすぐにナマエ様の調子は戻ったが、それからDIO様がナマエ様とずっと一緒にいるので私は何とも言えない気分になった
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