Short2
□年の差なんて関係ない
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※男主注意
(イヴ視点)
美術館を脱出したギャリーとナマエとショッピングを楽しむ、二人は私より大人で、周りから見ると兄妹か親子だと思われるだろうか
そんな事を思いながら隣にいるナマエを見上げる
ナマエはギャリーをイタズラグッズで驚かして楽しそうに笑っている、私はそんなナマエの笑顔が好きだ
私が別の事を考えている事に気が付いたのかナマエは今度は私の方に来てあの笑顔で私の名前を呼んだ
それだけでも嬉しいのにナマエは私の頭をポンポンと撫でてきた、本当にナマエはズルいと思う、どんなに思い悩んでもその笑顔で悩み事は吹き飛んでしまうのだ
「イヴ、どうしたんだ?」
「……なんでもない」
「そうか?ならいいんだが……あ、ギャリー、ほら見ろよこれ」
「ん?なに……ギャァァア!!なにその気持ち悪いぬいぐるみ!!」
「ハハハッ相変わらず女々しい叫び声だな」
ナマエはまたギャリーを驚かす、そんな二人の言葉を聞きながら私は店内を見渡す
可愛らしいうさぎのぬいぐるみを見付けて思わず小走りで近付いた
「かわいい……」
棚の上の方にあるうさぎのぬいぐるみを見ながらそう呟く、遠目からでも可愛いのに間近で見たらどうなるのだろう
そんな好奇心が湧き、ギャリーとナマエに取ってもらおうと考え、後ろを振り返った、しかしそこには二人の姿はなかった、さっきまでいたのに誰もいなかった
一気に血の気が引いてしまい、慌てて店の外に出る、またあの美術館のようになってしまうのかと一瞬嫌な考えが頭をよぎった時、人にぶつかってしまった
「あ……ごめんなさい……」
慌てて謝ったが、その人は気にしていない様で私の言葉を聞かずに何処かへ行ってしまった
あの美術館のようにはならない事が分かり、ホッと息をついてこれからどうやって二人と合流するかをお店の隣にあるベンチに座って考える
今から店の中に行ってもさっきいた所まで一人で行けるのかは自信がない…どうすればいいのだろう……
どんどんネガティブな事が頭に浮かぶ、私のせいであの二人の気分が悪くなってしまう、そう思ってしまうととても怖くなった
「……ナマエ……ギャリー……」
思わず二人の名前を呼んでしまった、それでもいつも返ってくる返事はなかった
いよいよ涙が出そうになってしまい、私のお気に入りの赤い靴がぼやけてきた
「イヴッ!!ここにいたのか!!」
「……ナマエ……ッ」
ナマエの声が聞こえて顔を上げると焦った表情をしていたナマエはギョッとした表情になった
そしてナマエはワタワタと慌て始めた、あまりの変わりように呆然としていると
「イヴなんで泣いてんだよ!!どっか痛いのか?あッ!!それとも怖かったのか?もう大丈夫だぞ!!」
と、早口で言ってナマエは私を抱き締めた、いきなりの事で目を見開いてしまったがナマエは必死に私の涙を止めようと背中を撫でてくる
そんなナマエの背中に私はゆっくりと手を回してしがみついた
私は本当にナマエが好きなんだと改めて理解したのだ