Short2

□少し遅めのおやすみ
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(銀時視点)


カラリと静かに玄関を開ける、空はもうすっかり暗くて日付が変わって何時間か経った時だ

寝ているであろう部屋の人物をなるべく起こさないように廊下を歩く

リビングに入ると最小限に暗くした照明の中にぼんやりとナマエが見えた、どうやら神楽は押し入れに一足先に入って行ったようで、それからナマエはまだ俺を待っていたのだろう

愛されているなぁ、なんてガラにもない事を思いながら寝ているナマエの寝顔を覗き込む


「……おーい、何か掛けないと風邪引くぜ?」


小声でナマエにそう言いながら一旦部屋に戻り、毛布を適当に見繕い、ナマエに掛ける

ピクリと瞼が動いたが、ナマエはぐっすりと寝ているようで起きる様子はなかった

仕方ないかと溜め息をつきながら俺が犯してしまった失態を思い出す

今日は予定ではこんな時間まで呑むつもりは全くなかった、だが誘われてしまいついつい呑んでしまい、気が付いたらこんな時間……マダオ許すまじ

すっかり時間も経ってしまい、時計で時間を見た時、サッと酔いは覚めてしまった

今日は確かナマエがわざわざ俺に呑んでくるのか聞いてきていた、それなのに俺は呑んでしまった……おそらく聞いてきたのは素敵な手料理でも作ろうと思ったのだろう、勿体無いことをしてしまった


「ごめんな、ナマエ」


きっと、俺の分は神楽の胃袋の中だろう、だが、ナマエがソファーで倒れるように寝ているのは俺の帰りを待っていたためだ

ナマエの事だ、怒りながらも酔っ払ってる俺のために少量の手料理を作ってくれる気でいたのだろう

本当に俺は愛されているなんて思いながらナマエの頭を髪を掬うように撫でる

だいぶ前に風呂に入ったのか少し湿った感触がする髪の毛を飽きるまで弄り回す

普段は照れてしまいめったに頭なんて撫でさせてくれないから充電をしておく


「本当さーナマエちゃんって一途だな、銀さんなんて無視して寝ればいいのに」


そう呟いてナマエの髪の毛や頬にキスをする、寝ているので当然反応はないがそれでもいい

ソファーにもたれるように上半身を預け、膝立ちをしていたのだがそれも疲れてきたので名残惜しいがナマエの髪の毛から手を離し、冷めきってしまった湯をもう一度沸かす

きっと明日はナマエは怒ってくるだろうなんて思いながらゆっくりと湯船に浸かった

のんびりと風呂に入った後、完全に寝ているナマエを起こさないように抱えながら部屋に入り、風呂に入る前に敷いておいた布団に入れる


「おやすみ、ナマエ」


そう呟いてもう一度ナマエに、キスをして俺は髪の毛を適当に乾かして寝る事にした

次の日、案の定ナマエに無視続けられた俺は心が折れそうになったが昨日の事を思い出し、なんとか持ちこたえた

これからはあまり呑まないようにするから、起きているナマエに甘えようと思う、寝ているナマエも充分可愛いけどやはり反応がある方がいい

改めて俺はそう思った、思わずつくづく俺はナマエに夢中になっているな、なんて呟くと照れたようにナマエは俺の頬を力の限り押してきた
 

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