Short2

□二人の姿が目に染みる
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(花京院視点)


目が覚めると僕は学校の前に立っていた、さっきまでDIOに攻撃していたと言うのに

ただ呆然と生徒達が進む道に佇んでいるだけだ、そして一つ異常なのは僕の体が透けている事だけだ


「一体何が起きたんだ…」


そう呟いた僕の目の前に女子生徒に囲まれた承太郎と少し遠くを歩くナマエが見えた、その瞬間僕は慌てて二人に駆け寄る

頼む、前と同じように笑顔を僕に向けてくれ、同じスタンドが見える同士、仲間同士仲良くしていたじゃあないか……だから、頼む……

必死に心の中で願いながら二人に駆け寄り、手を差し出す


「ナマエ……承太郎……」


僕の情けない程小さい声は承太郎を囲む女子生徒の黄色い声にかき消された、そして非情にも僕の横を通り過ぎる承太郎とナマエ

二人が僕の事を見てくれていなくてようやく頭で理解した、もし幽霊がいるとしたら、僕は今まさにその状態なのではないかと

思わず目を覆いたい感情になったが、その前に何故こうなったのか原因がある筈だとまず考える事にした

僕は確かに今まで友達と言える存在は全くいなかったが死してなお残る程の物じゃない、家族とも仲は良かった……ならなんだ?

溜め息をつきながらその場に座り込む、どうやら物はある程度触れるようで足には地面の感覚がする


「……僕が残していた事……未練がましい事……」


誰にも聞こえないが呟きながら必死に思い浮かべる、そしてある答えにたどり着いた、あの二人……承太郎とナマエ、あの二人の関係だと

承太郎は明らかにナマエを見る目は普通とは違っていた、それで僕は応援しようと密かに考えていたのだ

自分の残した事をようやく思い出し、僕は慌てて学校の中に入り込んだ、こんな所で嘆いている暇はない、今すぐ二人を付き合わせないと僕はきっと一生後悔するだろう…と言ってももう死んでいるが


「ナマエと承太郎を付き合わせるんだ、僕は二人の友達なんだから」


そう呟いた僕の声は誰の耳にも届かずに消えた、そもそも声が出ているのかも分からない

二人の傍に来るまでに分かったことがいくつかある、物にはある程度触れるしハンカチや棒状の物等を使って人に触れれる事も分かった、壁などはすり抜けれるが足から行かないと出来ないらしい

様々な検証をしながらとりあえず承太郎の傍に立つ、これはまるでスタープラチナだな、なんて思いながら二人の様子を見守る

どうやら昼ご飯は約束しているようで、屋上で二人はそれぞれの弁当を食べている


「あ、承太郎、卵焼きいる?」

「ああ、貰おう」


そんなありきたりな会話をしながら二人は昼ご飯を楽しんでいるようだ、もし僕が生きていたら……なんて考えてしまう

それよりも、だ……何故承太郎は昼ご飯まで誘っているのにナマエと距離を置いているのだろうか、これだとまるで嫌っているようではないか

二人が入れる程の距離を置いている承太郎を見て、僕は少し頭を抱えたくなった

これは僕がなんとかしないといけないのだろう、多分幽霊じゃなくてもなんとかした筈だ

とりあえず承太郎とナマエが横を向いた時に両方の弁当を近付ける、すると動いた弁当を見た二人は何故か両方とも顔を赤くして慌て始めた


「なんで急に動いて…!!」

「落ち着けナマエ、ほら、お前の分だ」

「いや、それ承太郎の弁当箱……」


なんて会話をしながらも二人で笑いあっている所を見て嬉しい半分悲しくなった、何故僕がここにいないのだろう、スタンド使い同士分かち合う事ができる仲間ができたたのに……

なんて考えていると、どうやらもう授業の時間になってしまったらしく、二人はそれぞれ教室に戻って行った

一人屋上に残され、僕はやる事がないので廊下を歩きながら学校が終わるのを待った
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