Short2

□吉良吉影は彼女自身を愛したい
1ページ/1ページ



完全に選択を誤った…まさか殺人鬼がこんなに狂ってる奴だったんなんて……そもそも殺人鬼という時点で狂っているのだ

とんだヘマをしてしまった、やっぱり一人で先に行かずに仗助と億泰達を連れてくるんだった

そう思いながらまた足枷を外そうと試みる、だが、その度に写真の中で生きているという吉良吉影の父親に手ではない部分を刺される

幽霊になっても自分の息子の手伝いをするなんて、なんて子離れしていない父親なのだろうか

そう思いながら血が出た部分をただ眺める、ジンジンと痛みがするが足枷を外そうとする手は止めない

早く逃げなければ、どんなに傷だらけになっても仗助のクレイジーダイヤモンドなら治せる、生きてさえいればいいんだ

そう思い手を動かし続けていると、ガチャリと玄関が開く最悪な音が響いた、その音だけで嫌な汗が背中を這う


「……また逃げようとしたのかい?」

「………………」

「逃げようとしても無駄だよ、そもそも私が与える料理すらも食べないのに逃げれるわけが無いだろ?」

「……このまま餓死してやる…アンタの物なんて口に入れるもんか」

「…ここまで警戒されるとはね」


誘拐した奴が何を言っているのか、警戒されないとでも思っていたのか?

そう思いながら動ける範囲内で吉良吉影から離れる、そんな私を見て吉良吉影は小さく溜め息をついてゆっくりとこっちに来た

そもそも何故女の手にしか興味がないコイツが私を生かしておくのか理由がわからない、さっさとスタンドで私の手以外を爆発すればいいのに

そう思っているうちにも吉良吉影は私の目の前に立つ、威圧感が飛んでくるが負けじと睨み付けていると、吉良吉影は私の頬を雑に掴み、ペットボトルに入っている水を無理矢理飲ませてきた


「ッ!!……ゲホッ!!……グッ……」

「おっとすまない……ほら、ゆっくり深呼吸するんだ」

「ゲホッゲホッ!!……いきなり何を……ゴホッ」

「……水も飲んでないんだろ?水分をなくしてはいけないよ」

「……ッ……ふざけるな……」


いきなり水を飲ませてきて何を言っているのだ、殺すなら嬲らずにさっさと殺せばいいのに

スタンドを出して抵抗をしようとしたが、吉良吉影は素早く自分のスタンドを出し、私のスタンドを床に叩きつける


「いッ!!……ようやく私を殺す気になった?」

「……意味のない抵抗はやめた方がいい、こんなに綺麗な手をしていて更には魅力も十分なのに」

「……この……変態が……」

「なんとでも言えばいい、どうせ逃げられはしないんだから」


吉良吉影は私にそう言い放って冷たく見下ろす、逃げられない……その言葉に密かに絶望する、生意気な口調で話しているが私だって怖いのだ、早く返して欲しい、由花子ちゃんとの恋バナをまだしてないし、康一君のエコーズの成長もまだ見たいし、露伴先生の漫画をまだ見たい

まだまだやりたい事を思い浮かべると自然と涙が出てくる、こんな情けない所をこんな奴に見られたくなくて隠そうとするが逆に正面を向けられる

もうとっくにスタンドは戻しているので吉良吉影自身にだ


「……離せ……ッ」

「ああ、泣いている君もかわいいね」

「……ッ……その手を退けろ!!」


そう叫びながら殴ると口が切れたのか血を端から流しながら吉良吉影は私の方を見る

そして私の手を掴み、自分の頬に持っていく

ゾワゾワと背筋が逆立つ感じがして、慌てて振り払おうとした時、動かそうとした私の手を吉良吉影のスタンドが止める

慌てて私もスタンドを出そうとするが、精神状態が悪いのか上手く出てくれない

固まってしまった私をいい事に吉良吉影は私を抱き締めて、嬉しそうに小さく笑った


「じょ……助……仗助……」


私はただ涙を流しながら仗助の名前を呼んだ、早く助けに来て欲しい……そしていつもの笑顔で私に話しかけて欲しい

そう思えば思うほど、ジワジワと吉良吉影は私の精神を壊していく、もうどうでもいいと思ってしまう考えも出てきてしまった

吉良吉影が私の名前を小さく呼んだ瞬間、私は諦めたようにゆっくりと目を瞑った
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ


©フォレストページ