Short2
□休日観光計画(仮)
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久しぶりに暗殺チーム全員が休みの日があるらしく、リゾットが観光に行こうなどと言い出した、こういう所だけはリゾットは一般人と似たような事をする
意気揚々と計画を立てていくリゾットに乗り気なのは、ホルマジオとメローネとペッシだ、逆に反対なのは、プロシュートとギアッチョとイルーゾォ、そしてどうでもいいと言う雰囲気のソルベとジェラートだ
私はどちらかと言うと、やめた方がいいと思うのだが……こんな個性的な集団が観光なんてできるわけが無いだろう……
そう思いながら、イルーゾォと一緒に漫画を読む
「あ、イルーゾォ、コイツ死ぬよ」
「ナマエ!!ネタバレをするなよ!!」
イルーゾォをネタバレでイジりながら、お菓子を摘む
サクサクとスナック系のお菓子を食べていると、急にメローネが私の隣に座って、何故かメモ帳を構えながら
「なあナマエ、今計画している観光の時の君の体調はどうなると思う?この俺が、薬を持っていってやろう」
と、目を血走りながら言ってくる、そんなメローネの形相に私は嘘をつく気力も無くなり
「まあ……とりあえず酔い止めは確実に持って行った方がいいかもね」
「なるほど……ナマエは意外に酔い易いからね……でだ、鎮痛剤とかも……」
「なんでそんなものが必要なの」
遠回しにいかがわしい事を聞いてこようとしたメローネの顔面を摘み、上を向かせるがこの変態は終始嬉しそうだ
思わず溜め息が出てしまった時、メローネの肩から下部分が氷漬けになった
思わずギアッチョの方を向くと、いかにも苛立ちオーラを出しながら私とメローネを見ている
「ちょっとギアッチョ、メローネ死ぬよ?」
「知った事か、うるせぇんだよコイツ」
「フフフ……ギアッチョ、こんな氷では俺は殺せないぞ、ナマエ、ちょっと助けて……」
「嫌だ」
「思いっ切り助け求めてんじゃねぇよボケが」
ドヤ顔で平気だと言っていた割にはすぐに私に助けを求めたメローネ、そんなメローネをギアッチョと一緒に貶す
だが、いくらメローネでも一応は仲間だ、このまま凍死は困ると思い、助けようとする、しかしそんな私を止めたホルマジオはギアッチョの氷からメローネを助けた
「グラッツェ、ホルマジオ」
「しょおがねぇーよな、お前みたいな変態にナマエが触れたら変態が伝染る」
「どういう意味!?」
「流石ホルマジオ、分かってるねぇ」
「だろぉ?ナマエ、たまには頼れよ」
「うん、分かったよおっちゃん」
「えっ!?おっちゃん?おっちゃんって何だよ!!せめてお兄さん……」
「おっちゃん」
「いや……お兄……」
「おっちゃん」
「……しょうがねぇーな……それでいいよ……もう」
メローネの存在自体を変態だと言い張りながらホルマジオはドヤ顔で私の方を向いた、それに少し苛立ち、ホルマジオをおっちゃんだと言い続けると、少し拗ねてしまった
だが、おっちゃんを慰める気も起きないので、またイルーゾォと一緒に漫画を読む
丁度、私がネタバレをしたところに来た時、頭になにやら重い物が乗った
「ほら、テメェの紅茶、無くなってたからペッシが煎れてやったぞ」
「え……でも言ったのはアニキ……いや、なんでもないよ!!」
「えー、ペッシが煎れてくれたの?ありがとうペッシ」
「ヘヘッ、どう致しまして」
「ヘラヘラ笑うなよナマエ」
「いいのいいの、よく笑えって昔友達に言われてたから」
「ハンッテメェの笑顔を見るなんてホルマジオの笑顔を見る方が万倍いいぜ」
「え?俺がなんだってプロシュート?」
「ペッシ、アンタのビーチボーイでプロシュートのネックレス引っ張ってもいいよ、きっと"ひぃ〜"って言いながらプロシュート死ぬから」
「えっ!?それは無茶ぶりだよナマエ!!」
「誰がそんな事言うか!!」
プロシュートが頭に乗せたカップを受け取りながら二人をイジる、ペッシは相変わらず単純で本当に暗殺者かと思ってしまう程だ、そんなペッシの世話役があのプロシュートだ、ご愁傷様ペッシ
そんな事を思いながら、紅茶を飲み、プロシュートとペッシと話していると、急にリゾットが私を呼んだ
何故今呼ぶのか謎だったが、素直にリゾットの方に向かう、するとリゾットは私の方をチラリと向くと、チョイチョイと手招きをした
相変わらず無口な人だと思いながらリゾットの隣に行くと
「ナマエ、やはりまだ観光は反対か?」
と、少し困ったように言ってきた、私は少し考えながら、さっきと変わらない返答をする
すると、リゾットはそうかと言って、また考え出した
もう私はイルーゾォの隣に戻ってもいいのか……一瞬迷ったが、戻る事にして歩き出すと、リゾットは私の腕を掴んだ
「……ん?リゾット?まだ何かある?」
首を傾げながらリゾットに言うと、リゾットは一度ペンをクルリと回すと、小さく溜め息をついて
「お前ら、やはり観光はやめよう、休みぐらいのんびりしよう」
と、隣の部屋の全員に聞こえるようにリゾットは声を掛けた、すると隣の部屋からそれぞれの反応の声が聞こえた
だが、何故リゾットは私を止めたのか、結局、リゾットに腕を掴まれたまま皆が居る部屋に行き、イルーゾォの隣に座らされたので謎だった
やたらメローネがニヤニヤしている気がしたが、元からあんな感じなのでどうでもいいだろう
そう思いながら、ソルベとジェラートの方を見ると仲良く寝ていたので、タオルケットをかけてあげた
休みは結局、今日と同じように皆でワイワイ騒いだだけだった