Short2

□泣き蟲
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驚いているナマエを放置して、タクシーのトランクから荷物を取り出し、ナマエの手を掴んでマンションに入る

部屋に入ってからは、適当な所に荷物を置いて、無理矢理ソファーに座らせる


「臨也……?」


動揺しながら俺の名前を呼んでくるナマエに俺は短く返事をする


「なんで怒ってんの……?」

「……ナマエがあまりにも馬鹿だから」

「なッ!!!?」


なぜ怒っているのか聞いてきたナマエに、頬杖を付きながら答えると怒ったような、驚いたような顔をしてきた

何かを言い返そうとするナマエを手を突き出して止めて


「あんなのハッタリに決まってんでしょ、少なくとも俺の情報にはあんなやつ、危ない組織の名簿には一切なかった」


と、強い口調でそう言った、するとナマエはさっきのように目を見開いて驚いた

そして俺に何回か、本当かどうか聞いて安心したように胸をなで下ろした


「よかったァ……」


そう言うナマエの隣に俺は座り、話を続ける


「そもそも、ナマエはなんでそうも変な奴に引っかかるのさ、ある意味才能だよ」

「うッ……」

「相手の事をまずしっかりと理解してから付き合いなよ、フラフラついていくから今日みたいなとこになるんだよ」

「…………」

「それになに?あのザマ、荷物取るのにどんだけビビってんのさ、どんな事されたか知らないけど、堂々としてなよ、俺といる時みたいに」

「……はい……」


まるで子供に説教する親のように俺はそう言い続けた

ナマエは俺が口を開く度にどんどん小さくなって行くように肩をすぼめた

そして、もう涙目のナマエに向かって俺は今まで普通の人物をも蹴落としてまで言いたかった言葉を言った


「なんなら、ナマエが一番良く知っている俺なんてどう?付き合うなら大歓迎だけど?」


そう言った瞬間、今まで引っ掛かっていた何かが取れてスーッとした気分になった

それと同時に、ナマエは顔を真っ赤にしながらゆっくりと頷いた

顔を動かしたせいで、目に溜まっていた涙がナマエの目から流れ落ちた
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