Short2
□燃えた約束
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1600年、天下分け目の戦場関ヶ原
私達を裏切った徳川を中心に作られた軍、東軍と、三成を中心に作られた軍、西軍の戦だ
前日に、徳川から文が届いた、大体の内容は"私に手をかけたくないから、三成を裏切ってでも東軍につけ"と、そんな事が書かれていた
徳川………いや…家康とは裏切られる前、よく遊んだり、一緒に話をしたり、鍛錬も共にした仲だった
"ワシは出来るだけ犠牲を出したくない"そう文に書かれていた
私はその日に徳川に返信をした
"石田三成と言う人物の元から離れる事は絶対にしない、例えお前が毒を盛ろうが、私の身体が動くまで、私は三成につく"
と、走り書きをして、徳川に返信をした
「ナマエ……貴様は本当にこれでよかったのか?」
「何を急に……」
関ヶ原の戦が始まる少し前、三成が急にそう言ってきた
私はそんな三成に溜め息をつきながら返した
「貴様は昨日、家康から文を貰っただろ……?」
「……気付いてたんだ……」
「まぁな……刑部から聞いた、斬り刻んでやろうと思ったがな……」
「いや、斬り刻んじゃ駄目だから……」
三成の言葉に冷静にツッコミを入れる
「だが……なんて書いてあったのだ?」
「…………」
三成の言葉を聞いて、私は黙った
もし、内容を言ったら三成は怒るだろうか…三成は人一倍裏切られると言う言葉が嫌いな奴だ
「……言ってみろ、拒否は認めない」
私の思っている事を見透かした様に三成は少し怒りながら言ってきた
私は三成に聞こえるように溜め息をついた
「……徳川が……東軍につけって、昔の仲間を無くしたくないから西軍を……三成の軍から抜けろってさ……」
ゆっくりとそう言った、見なくても分かる、三成は眉間に皺が寄ってる
「…貴様は……ナマエはなんて返したのだ?」
「もちろん、拒否したよ、"石田三成と言う人物の元から離れる事は絶対にしない、例えお前が毒を盛ろうが、私の身体が動くまで、私は三成につく"ってね……あ、違うかも、石田三成じゃなくてヒョロガリだったかも……」
「きっ……貴様ァァァァ!!!!少しだけ見直した私が馬鹿だった!!」
三成の問いに、半分ふざけながら答えると、怒鳴られた
そして、三成はそのまま何処かに行ってしまった
「……さてと……」
私はふざけるのはここまでと決めて、ゆっくりと立ち上がった
徳川に送った文の内容は私の本当の気持ちだ、あの文の通り、私は三成の為にこの関ヶ原に参加する
「……三成にこれ以上孤独を味合わせたくないからね……」
死ぬわけにはいかない……と、心の中で決めた
だが、私は……
「卿か…あの凶王の宝のナマエとやらは」
「……ハハッ……宝なら……大谷の方が勝るよ……」
松永久秀と言う奴に殺されかけている
コイツのせいで、関ヶ原はめちゃくちゃだ……東軍、西軍、両方がやられた……しかもコイツ……!!私の背中を踏みやがって……!!
「大谷吉継はもう居ないなぁ……だから卿を壊す事にしたのだッ!!」
「ぐッ……あぁあぁああぁ!!」
松永久秀は私の背中をより強く踏み、口角を上げている
そして、私の首をつかみ持ち上げた
「……うっ……ぐあッ……がッ!?」
痛みと苦しみが同時に襲ってくる
松永久秀の腕を掴み、引き剥がそうとするが、力が入らない
「凶王の宝……私が頂いた」
最期に聞いたのはその言葉と
「やめろ……!!私を一人にするな……!!ナマエ!!貴様約束しただろう!!裏切りなんて許さない!!やめろォォォォォ!!!!」
と、遠くから聞こえる三成の叫び声だった
「……み……三……な……」
三成の名前を呼ぼうとした瞬間、私の体は炎に包まれた
好きだと気付くのがもう少し早かったら、何か変わったのだろうか……
そんな考えも、全て灰になった