灰色の愛

□始まり
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「なぁ聞いた?ラルト昨日急に叫び出したんだって」

「知ってる知ってる!!どこにも外傷は無いのに苦しみ出したんでしょ?」

「やっぱ変な奴だよなラルトって」


部屋に居ても不愉快な声は聞こえてくる

それを塞ぐように毛布をかぶった、それと同時に眠気が襲ってきた


「じゃあ……また五、六時間後に……」


小さく呟いてそのまま寝た


ドクンッ!!


急に心臓が強く脈打った


「うあ"ッ!!あ"あ"あ"あ"!!」


また来た…そう思いながらも痛みを受け入れるように叫ば無いようにする

だが、痛みは容赦無く襲いかかる、耐えきれず叫ぶと院長先生が駆けつけてくれた

そんな日が何日も続き、そして気が付いた……


「私は…………私は……!!」


自分の存在を確信するように呟いた瞬間


「どォも♥ラルト・アメジアちゃン♥」

「ハァッ……ハァッ……」


アノ人が私の頭を撫でて名前を呼んでくれた


「綺麗な色してるねぇ、髪の毛」

「千年公、本当にコイツが俺達の家族なの?」

「ティキぽんは酷いことを言いますネ♥」


他にも小さな女の子と私より年上の男が部屋にいた


「ラルト・アメジア……貴女も神が造み出した十三の子の一人……ノアの遺伝子を持った使徒なのですネ♥」


アノ人はゆっくりとそう言ってくれた、その言葉は私の頭にしっかりと響いた


「今、貴女の内にある憎しみも、悲しみも、苦しみも全て七千年前の真実♥遺伝子に刻み込まれたメモリーなんですヨ♥覚醒は終わりましタ、もう見えるでしょウ?この世界の……正体ガ♥」

「相変わらずだねぇ、千年公」

「じゃあラルトさん?また後ほど家で待ってるぜ?」


そう言い残し、三人はゆっくりと暗闇に消えていった


「この……世界の……正体……」


アノ人の言葉を復唱して確信した……私はノアなのだと

そして、ゆっくりと起き上がり、眠気を覚ますため顔を冷水で洗った


「………………」


ゆっくりと鏡を眺めると額に聖痕がくっきりと出ている

……明日……家に戻ろう……

そう決めてゆっくりと布団に入った
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