白銀花が咲く夢を見る

□第八訓
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開国記念日と言う私からしたら記念でもなんでもない日、祭りの当日だが私達真選組はそんな浮かれた気分ではいられなかった

高杉に関しての情報が出てきたのだ、この祭りでは将軍も見に来る、それを狙っているような動きがあったそうだ

不本意ながら祭りを楽しむ余裕もなく、私達は高杉に対しての作戦を考えていた

副長がサラリと言った片っ端から斬りまくる作戦は沖田の一言で無しになったが、何か被害が出る前に私達は動かないといけないようだ


「ハァ……高杉め……」

「か……花無為大丈夫か?高杉はお前の旧友じゃあ……」

「心配ないですよ局長、アイツは前から嫌いでしたから」

「そうか……?」


隊士の皆がざわつく中、局長とそう話し合った、まだ局長は心配しているが私としては皆より遥かに道を踏み外している高杉を止めるチャンスだ

街でバッタリ出くわすより皆と一緒にいた状態で出会った方が危険でもないからな、そう思い思わず溜め息をついた時、丁度作戦と配置が決まり隊士達が動き出した

パトカーやらなんやらで祭りの場所に向かう、日も落ちてきてなかなか祭りらしい雰囲気が漂う


「私達も祭りを楽しみたいですよ、副長……」

「我慢しろ、将軍を守るんだよ花無為」

「……分かりました……」


副長に向かって小声で文句を言ったが聞かれていたようで一喝されてしまった、渋々承諾したがどうにも乗る気がしない

だが局長や副長が将軍を守ると言っているのだ、私はそれについて行くしかないので文句はもう言わない事にする

結局祭りの場所に着いたのは日が落ちきってそろそろ夜になる頃だった、パトカーから降りて各々持ち場に向かった

私はまた沖田と見回り兼将軍がいる周りを護衛する係だが、案の定沖田は私は少し目を離した隙に逃げ出してサボりを決め込んだ

呆れて溜め息すら出てこないが、食欲は出てきたので目の前にあったたこ焼きの屋台で買う事にした


「お兄さん、一パック頂戴」


数を聞き間違われないように指で数字の一を指しながら屋台のお兄さんにそう言うと元気な返事が返ってきた

その返事に思わず笑ってしまったが、少しして美味しそうなたこ焼きが一パック出てきた、ホカホカと湯気が出ている所がまた食欲を駆り立てた

お兄さんに礼を言って、どこか座れる所を探すが花火が始まってしまっているからか、どこもかしこも先客がいたので適当な場所で立って食べる事にした

爪楊枝で一つたこ焼きを刺して口に放ると熱過ぎる程熱を持ったたこ焼きが口の中に入り込んできた


「あ"っづ!!」


思わず涙目でそう叫んだが残りのたこ焼きは落とさなかった、涙を薄ら流しながらも花火を見つつたこ焼きを味わう

生地の味やソースの味が私好みの濃いめの味付けで思わず頬が綻んだ、しばらくこの美味しさを味わおう

今度は同じ間違いをしないように少し穴を開けてから息を吹いてたこ焼きを冷ましてから食べる

やはり生地はサクサク、中身はトロリとした上で濃いめの味付け……中々腕のいいお兄さんだ


「うーん、やっぱり美味しい……」


もぐもぐとゆっくりと咀嚼して味わっているとふと嫌な気配がした、その瞬間将軍がいる方向から爆発音が響き渡った

爆発音からパニックになる人達が慌てて逃げ出す中、私はただ唖然としていた


「将軍の傍には局長と副長が……!!」


この爆発音からすると結構な規模だろう、もしも将軍のすぐ近くで爆発が起きたのなら二人は致命傷ではないとは言え無事ではないだろう

一瞬真っ白になってしまった頭を無理矢理フル回転させて慌てて将軍の元へ行く事にした
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