白銀花が咲く夢を見る
□第三訓
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結局桂には逃げられ、オマケに爆弾の件のせいで浪士達も捕まえられなかったそうだ
仕方ないと言ったらそうなるが私はなんとなく気に食わなくて、しばらく騒動があった部屋でなにか他に手がかりがないか探す事にした
「テメェにしては熱心じゃねぇか花無為」
「……ただ桂が嫌なだけですよ」
一人で手がかりがないか探していると、どうやら一人ではなかったようで副長の声が聞こえた
低くしていた姿勢を起こしながら副長の方を向くと呑気にタバコを吸っていた、副流煙がモロに当たってくるので将来肺ガンとかになったら副長のせいにしようと思う
「桂と何かあったか?」
「そんなんじゃないですよ……なんとなく今の天人がいる時代を受け入れる事が出来ないなんて、なんか気に食わなくて……勿論私も完全には受け入れてませんけどね」
「……意外だな」
「?」
副長のタバコをひと睨みしてからまた手がかりを探すが副長は手伝おうとはしなかった、当然と言えばそうだが少しは手伝って欲しい気もする
そんな中副長が急に桂となにかあったのか聞いてきたので一瞬ドキリとしたが、平静を装いながら本心を口に出した、そんな私の言葉に副長は何かを呟いたので思わずまた体を起こしてしまった
「テメェがそんなに桂の野郎を気に掛けるなんてな」
副長の言葉を聞いて私は思わず言葉を失ってしまった、もしかして勘付かれてしまったかもしれないなんて思いながら激しく動く心臓を軽く押さえる
「ま、まあ……なんとなくですよ」
一瞬吃ってしまったが私は少し誤魔化した、副長は特に気にしていないようだし私の素性を察した感じもしない
密かに安堵の息を吐いて私はまた副長のタバコの煙を感じながら手がかりを探した
私がそんな事をしている時爆弾を上空に投げてある意味爆弾処理をしたと言う浪士らしき人物達が屯所に運ばれたそうだ