10000HIT御礼企画
□10、背中
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10、背中
何故私はこんな状態なのだろう、何故三成はこんなに怒っているのかさっぱりだ
こんな怒り方は、秀吉様のシュークリームを誤って食べてしまった時以来だ
そんな少し前のことを思い出していると、三成は私を睨んだままドスの効いた声で
「なぜ貴様は……なぜ貴様は私の言う事を聞かない!!」
と、焦ったように言ってきた、思わぬ言葉に思わず目を白黒させてしまう
三成の言う事って……大体が"私を裏切るな"とかだけど……私としては裏切るつもりは毛頭ない、第一、私は全くそんな行動は取ってない……
一体三成は何を言っているんだろうか……?
怒られた事でドキドキと脈打つ心臓の音を聞きながら、私は三成に聞く事にした
「裏切るって……私そんな事した?」
「……」
「三成……ちょっと……大丈夫?」
私の言葉に黙ってしまった三成に大丈夫か聞くと、三成は黙って私の肩に手を置いてそのまま俯いてしまった
ちなみにさっきは俗に言う壁ドンの状態だったが、睨まれただけなので、一切萌え要素がない
まぁ、そんな事はどうでもいいとして……三成のやりたい事が全く分からない
俯いたままの三成の顔を覗きながら大丈夫かと聞いた瞬間
「ナマエ……ッ……」
と、私の名前を呼びながら三成は抱き着いてきた
思わぬ行動に驚いていると三成は私を物凄い力で抱き締める
「三成……苦しい……」
「……私は見たんだ……貴様と家康が楽しそうに話しているのを……」
「いや、それよりも……苦しいッ……」
「あれほど家康には近付くなと言った筈だ……なのに貴様は話していた……これをどう説明する?」
「苦しいんだけど…………でも、家康君とは何もないよ?ただ、この間、秀吉様のシュークリーム食べちゃって……どうやったら許してくれるのか相談してただけ……つーか苦しい」
苦しいと言っても一向に離そうとしない三成に半ば諦めながら、家康君と何をしていたのか話した
すると、三成はそれっきり黙って、私を抱き締めるだけだった
「三成〜?……大丈夫だよ、私は家康君の方には行かないから、だから離して」
「…………」
大丈夫だと言うと三成は渋々ながら私を離した、そして私は三成に一度謝ってから半兵衛様の所に行こうと進んだ
しかし、またしても三成が抱き着いきた、今度は後ろからだ
「……三成」
少し怒りながら三成の名前を呼び、怒鳴ろうとした瞬間、服越しだが背中に何かが当たった気がした
薄着だった為、それが何なのかも分かった、私は自分の頬に熱が集まるのを感じながら三成の方を見た
「……今度家康と話してみろ、次はないからなナマエ、それと秀吉様のシュークリームも返すのだ」
三成はほんのりと赤い顔で私にそう命令して、逃げるように自分の部屋に入って行った
「…………」
それから私は通りすがりの刑部に声をかけられるまで放心状態でいた
「ヤレナマエ、どうした?」
「……」
「……?」
「三成……むっつりだったのか」
「は?」
そんなやり取りの後、刑部に質問攻めにあっている三成を見付けたのは言うまでもない
背中……確認(そうであるかどうか、はっきり確かめること)