10000HIT御礼企画
□1、髪
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1、髪
万事屋のソファーの隣に座る銀時の髪の毛をこっそり盗み見る
相変わらずくるくるパーマで、触り心地が良さそうだ
銀時とは、攘夷戦争からの付き合いだが、まだ一度も髪の毛に触れていない事に気が付いた
「銀時」
「あー?」
「お前の髪の毛って、どんな感触?」
「……は?」
我慢できずに引かれる覚悟でそう聞くと、ボーッとジャンプを読んでいた顔を上げて銀時は気の抜けた声を出した
そして、目を見開き、呆然と私を指さして
「ナマエ、お前……何処か気でも狂ったか?」
と、酷い事を言ってきた、そんな銀時の言葉を鼻で笑って返して、私は銀時の髪の毛を見ながら
「いや、前々からフワフワしてんなーって思ってだな……どんな感触なのかなって」
と、思っていた事をスラスラと口にした、すると銀時は頭をガシガシと掻きながら溜め息をついて
「勝手にしやがれ……ったく、なんだってんだよ」
と、言って、またジャンプを読み始めた、と言うことは触っても良いと言う事らしい
私はソファーから立ち上がり、銀時の後ろに回るとゆっくりと手を伸ばして銀時の銀髪に触れた
フワリとした天然パーマの感触がクセになる、中々いい髪の毛だ
「もういいだろ、ほらさっさと退きやがれ」
私の行動を感じ取ったのか、銀時は手をプラプラと動かして立ち上がろうとした
「あっ!!ちょっと待って」
「あー?んだよ……まだ何かあるってのかよ」
立ち上がる銀時を手で押さえて、私はそのまま銀時の髪の毛にキスをした
何が起きたのか理解出来ていない銀時に私はニンマリと笑いながら
「知ってた?髪の毛のキスは思慕の意味なんだって」
と、言った、銀時はほんのりと赤い頬を手で押さえながらまた大きな溜め息を吐いた
髪……思慕(懐かしく思って慕うこと、恋しく思うこと)