灰色の愛

□第七夜
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朝起きてからというもの、ティキとリストを見ながら削除をしていった

特定の人物を探すのはとても大変で、ターゲットのエクソシストを発見して、殺す前に次のターゲットの居場所を聞き出す……

そんな方法で、私達はターゲットを探し続けた


「あー、もう無理、歩けない」

「……ラルト、置いてくぞ」

「ティキーもうかれこれ二時間は歩いてるよー?もう足が棒だよー、寝かせてー」

「ハァ……分った分った、休憩にするか」

「!!やったー!!」


途中、歩きたくなくてグズるフリをするとティキは溜め息をつきながら休憩にしてくれた

近くのベンチに座り、グテーっと凭れる

そんな私の隣にティキはタバコをくわえながら座る


「ティキー」

「なんだよ」

「タバコ好きだね」

「まぁな……吸ってみるか?」

「嫌、ティキみたいに臭くなる」

「なにそれ酷い!!遠回しに俺の事臭いって言ってるし!!」

「臭いもん、ティキ」

「……タバコの臭いだろ?」

「ううん、加齢臭」

「俺まだ二十代!!」


そんなやり取りをしていると、目の前を黒の教団のコートを着た奴が通った

ティキは何も言わずにセル・ロロンに確認を取り、まだ半分程のタバコをポイっと捨てて


「アイツら殺るぞ」


と、言ってきた、そんなティキの言葉に私は適当に返事をしてエクソシストを追いかけた

エクソシスト達は人目につかない所に急ぎながら入って行った

それをティキと一緒に追いかける

人目につかないからこのままだとティキはここで殺すな……

そんな事を思いながら走っていると、ティキがAKUMAを呼べを言ってきた

ティキの命令に渋々承諾して私は近くのAKUMA達に命令をした

少ししてAKUMA達がエクソシストに向かって行ったのが見えた


「よし、行くぞラルト」

「えーAKUMA達にやらせてからじゃないの?」

「ばっか、それだと向こうの方が頭数多いだろうが」

「ちぇっ……行きますよーだ」


ティキの戦法に渋々承諾して、私はエクソシスト達に向かって走って行った

エクソシスト達は案の定、AKUMA達に苦戦していた、その隙をティキは突いて


「悪いな、ちょっと手荒くなるけど……ティーズ」


と、エクソシストに謝りながらティーズを埋め込んだ

そんな様子を見ながら私はジャスデビの実現で音が出ないピストルを作り出して眉間に打つ


「うぇ……ジャスデビの能力もなかなか体力使うな……」

「ラルト〜そっちにエクソシスト行った〜」

「うわっ!!」


血を吐きながら能力に文句を言っていると、ティキの気の抜けた声が聞こえ、すぐ目の前にエクソシストがイノセンスを構えながら走って来た

攻撃を避けていると、後ろにも一人、エクソシストがいたようで挟まれてしまった


「あっ!!」

「死ねェェェェェ!!」


思わず驚きの声を上げると、エクソシストは半ば発狂しながら振りかぶった

そんなエクソシストを見ながら私はティキの拒絶を使い、地面に潜った

私が居なくなり、驚きながら周りを見渡すエクソシストにピストルを向けて、引き金を引く

音もなく発射された弾は、後頭部を突き抜け、エクソシストは派手に地面に崩れ落ちた


「ラルト、ヒヤヒヤさせるなよ」

「ごめんごめん、でもちょっとヤバかった……まさか後ろにもいるとは思わなくて……」

「しっかりしろよ……」


私の方に降りてきながらティキは怒ってきた、そんなティキに私は頭を掻きながら謝る

そんなやり取りをしていると、ファインダーの助けを求める声が聞こえた

ティキもそれに気が付いた様で、歪んだ笑みを浮かべながら隠れているファインダーに近付いて行った

悲鳴が聞こえる中、私はセル・ロロンに名前の照合をさせて名前を削除した
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