灰色の愛

□第五夜
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「とりあえず……咎落ちが死んだら、俺はティーズ達を回収しないといけないから……って、聞いてる?ラルト」

「……え?あぁ……うん……」

「落ち込みよう半端ねぇ……」


ティキと同行すると理解して、私はショックを受けた

以前の爆睡した時の事が頭の中を巡って……ああああ……ティキを怒らせてはダメだ……

頭を抱えながらそう葛藤していると


「……大丈夫かよ」


と、ティキが私の隣に座って顔を覗くように言ってきた


「えっ!?あっ……いやっ!?……ティキは元気!?私は元気デス!!」

「誰もそんなこと聞いてねぇよ」


いきなりの事でパニックを起こして、私はティキから離れながら慌ててそう言った

そんな私を見てティキはシルクハットを取り、髪の毛を掻き上げながら溜め息をついた


「まぁ、そろそろ俺は行くけど、ラルトはどうする?」

「……私……行ってもいいの?」

「あ?」


ティキの言葉に私は座ったままそう答えると、ティキは驚いた様な声を出した

そして、ティキが何かを言う前に私は


「……前みたいに……迷惑かけるかも……」


と、俯いて前の事を思い出しながらそう言った

そう言った後、ティキは早足で私に近付いた


「ラルト」

「ッ……!!」


名前を呼ばれて思わず肩がビクついた、そんな私にティキは手を伸ばしてきた

何を言われてしまうのか、もしかして帰れと言われるのか……

そんな事を思っていると、ティキは私の肩に手を置いて


「俺は別に付いて来ても迷惑とは思わねぇよ、まぁ……確かに以前のアレは俺も焦ったけど……お前の体力の無さは俺が一番知ってるからな、仕方ないさ」


と、励ましてるのか罵ってるのか良く分からない事を言ってきた

そんなティキの言葉に思わず笑ってしまう


「ティキ、私を励ましてる?それとも罵ってる?」

「……えー……なにそれ……俺これでも結構励ましてるのに……」

「そっか……まぁ、ティキがそんなに言うなら付いていってもいいよ」

「なにその上から目線」


今、すぐそこで街が破壊されてるとは思えないやり取りをティキとして、私達は崩壊間近の咎落ちの近くに移動する事にした

ちなみに、移動方法はロードの扉だ、もちろん、それは私が出す


「ぐぇ…………なんじゃこりゃァァ!!」

「何一人でコントしてんだよ、弱虫ラルト」

「誰が弱虫だ、もじゃもじゃホームレス」

「誰がもじゃもじゃだ」

「じゃあもさもさホームレス」

「悪化してる!?」


ロードの扉を通る時、そんなやり取りをまたして、私達は咎落ちに向かった

丁度、咎落ちの近くの林に着いた時、咎落ちは眩しい光と巨大な音を出して消えた

空には綺麗な三日月が浮かんでいた


「もう夜かぁ……」


私がそう呟いた時、奥の方から声が聞こえた

ティキは声がした方を見て、私に小声で


「苗床君とエクソシスト発っ見〜」


と、言ってきた、その言葉はある意味、エクソシストにとっては絶望的な言葉だろう

まぁ、私には関係ないけど……
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