灰色の愛

□第二夜
1ページ/3ページ



AKUMAの上に乗ってから四、五分した時、ようやくエクソシストを見つけた

新米だからか少しだけ強そうなやつを見つけた


「あ、発見発見」


そう呟き、従えさせたAKUMAの一部を向かわせる


「くっ!!AKUMAか!!」

「なんでこんなところから!!」


そんな声が聞こえ、思わず口角が上がる

イノセンスでAKUMAを一通り倒されたあと、ゆっくりと降り立つ


「はーい、どーも」


ニコニコして、手を振る

目の前にはエクソシストしかいない事を見ると、ファインダーは死んだか逃げたようだ


「なんだ……」

「人間か?」


そんな事を言っているエクソシストに少しずつ近付いて


「私はねぇ人間じゃないよ」


と、冷たく言う

そして肌の色を変え、聖痕を出す

私の変化にエクソシストは驚いたようにたじろいだ


「なんだ……肌の色が……」

「こいつ……なんか変だぞ!?」

「酷いなぁ……ただの人間のクセに」


睨みながらそう言うと、新米らしきエクソシストは叫びながらイノセンスで攻撃してきた


「ッ!!!!」


装備型のイノセンスは私の横っ腹を直撃して、なかなか強い衝撃を与えてきた

倒れた私を見て、エクソシスト達は


「やったか……?」

「おい、普通の人間だったらどうするんだ」

「でも先輩……殺気がヤバかったですよ」


等と話している、そして新米らしきエクソシストを怒りながら先輩と呼ばれていたエクソシストがこちらに近寄ってきた


「君、大丈夫かい?」


そう言い、汚い手で触れてくるエクソシストの頭を掴み


「黙れ」


と、一言言って頭を潰した

今のはスキンの能力を借りたのだ、スキンは力強いから簡単にエクソシストの頭は潰れた

手袋をしてなかった為か、血の暖かさが直に伝わってくる、冷たくもなく熱過ぎないこの暖かさはクセになる


「うわ……ああ……ああああ!!先輩!!」


錯乱したように叫ぶエクソシスト、そんな奴の目の前で頭を潰したエクソシストのイノセンスを取り上げる


「しまったなぁ……一気に殺っちゃった……」


そう一人で呟きながら、イノセンスを元の形に戻す為に割った


「お前……なんなんだよ……お前!!」


原型に戻ったイノセンスを拾い上げた時、エクソシストはそう叫んできた


「あー……うるさいなぁ……」


昼寝を中断したせいか、攻撃されたせいか無性にイライラして、エクソシストの首を手で絞める


「ぐッ……」


蛙のような声を出したエクソシストの頬に片手を添える

そして、頭を潰した時ついた血を頬につけると、ガタガタと震えだしたエクソシスト


「助けて欲しい?」


そう言うと、弱々しく頷くエクソシスト

ちなみに首は少しだけ酸素が入るようにしている


「そうだなぁ……助けてやろうかな、私優しいから」


考える素振りをして、そう言い、手を離す

するとエクソシストは咳き込みながら涙を流した


「あ……ありがとう……ございます……」


途切れ途切れに感謝の言葉を言うエクソシストと視線を合わせるためしゃがんで頭を撫でてやる


「あ、でもお前、私に攻撃してきたよね?」


思い出したようにそう言うと、私の感じを察したのかエクソシストは絶望の表情をした

そして、震える声で


「た……助けて……助けてください!!」


と、言ってきた、私は笑顔でそれを聞いた


「うん、大丈夫大丈夫」


すっかり血が乾いた手でまた頭を撫でてやると、少しだけホッとした顔をした

そんなエクソシストに私は


「さっきの奴より苦しんで殺してあげるから」


と、言った


「あ……あ……ああああああああ!!!!」


それを聞いたエクソシストはまた絶望の表情をして、私から離れた

そしてイノセンスでまた攻撃してきた


「あー、ダメだって効かないって」


首を振りながら紙一重でイノセンスをよけていく

するとエクソシストはまた震え出して謝ってきた


「謝罪は一度しか聞かないことにしてるからさ、私」


そう冷たく言い、ティキの能力を使ったまま、エクソシストの足に触れた
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ