灰色の愛
□始まり
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物心ついた時から孤児院にいた、親の顔は全く覚えていない
だからいつも、孤児院の部屋で一人で遊んでいるだけだ
私はいつも一人だ
このクマのせいか、いつも一人……寝ても寝ても、クマが取れない……寝ても五、六時間寝ないと死んでしまいそうになる
昔はこんなんじゃなかった……昔は皆とも話してたし遊んでいた……こうなったのは十六歳ぐらいの時……
いつものように遊んでいても急に寝てしまった
それからクマが出始めた……
それから四、五年経った後に度々頭から血が流れてくる
「院長先生……」
「なぁに?ラルト」
ラルトと言う名前は院長先生が付けてくれたもの……院長先生だけは私から離れないでいてくれた
いつものように頭の包帯を取り院長先生に見てもらう
「……まだ治らないわね……」
「うん……ごめんね」
「謝らなくていいのよ」
院長先生の悲しい顔を見て私が謝ると院長先生は頭を撫でてくれた
これは二十歳ぐらいになっても嬉しい
「院長先生……ありが……ッ!!」
院長先生にお礼を言おうとした瞬間、全身に激痛が走った
「ラルト!?どうしたの!?」
院長先生の声が遠くに聞こえた、私はあまりの痛さに叫び出した
「あああ……ああああ!!あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!!!」
「ラルト!!ラルト!!誰か来て!!ラルト!!」
喉が痛くなるほど叫んでも、痛みは消えなかった、そして同時に頭の中になにかが流れてくる
意識が無くなる様子もなかった、ただこの痛みはなんなのか、それすらも分からなかった