出口はどこでしょう?

□三話
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精神的にダメージを受けたがここは私が頑張って空気を悪くしないようにしなければと思い、今出来る精一杯の笑顔でイヴちゃんを連れて先を急ぐ事にした

イヴちゃんの話だと私がいた場所の反対側では端から黒い手が出てくる通路と、唾のような物を吐いてくる絵と赤色の文字で"9"と書かれた絵、猛唇注意と書かれた文字の横に唇のような物が壁から出ているのがあるらしい

数字の絵以外特に調べる必要もなさそうなので私があまり近付きたくない人形が吊り下げられている廊下に行く事にした


「そう言えばイヴちゃんはなんでゲルテナ展覧会に来たの?」


黙って歩くのも気が滅入ってしまうのでイヴちゃんに素朴な質問をしてみた、するとイヴちゃんは少し私を見上げてから小さい口を少しだけ開けて


「……お父さんとお母さんがこういうの好きで……」


と少し小さな声で短く答えてきた、私はその声を聞き逃さずイヴちゃんの口から出てきた"お父さんとお母さん"のワードを広げてもっと話を盛り上げようと思った

しかし私が口を開こうとした瞬間、目の前で吊るされていた人形がボトリと嫌な音を立てて落ちた、それだけで私は悲鳴を上げてしまう、イヴちゃんは特に何も反応を示さない

強い子だと思っているとイヴちゃんは何かに気が付いたようにその落ちた人形に近付いて人形を調べ始めた、その様子を私は情けないが少し離れた場所で見ているしかなかった


「あ……アルマこれ」

「えっ……何かあったの?」


イヴちゃんの声に反応して怖いが人形に近付くと、落ちていた人形には緑色で"18"と書かれていた、これで数字は三つ揃ったというわけだ

数字が書かれた人形を後にして、近くにあった扉を開けようとしたが鍵がかかっていた、よく見るとその扉には緑、赤、青の丸が書かれていてその間に数式が書かれていた

この丸を先程の数字に置き換えると答えである番号がわかるようだ、即座に計算を始めると答えは"166"になるのでこの扉を開けるにはその数字を入力すればいいのだろう

チラリと横を見るとイヴちゃんが唸りながら答えを導き出していた、私はそんなイヴちゃんを待つ事にして少しだけ扉から離れた、するとそんな私の肩をイヴちゃんが掴んできた


「アルマ、答えがわかったなら私を待たなくていいよ」


イヴちゃんは少し申し訳なさそうに眉を下げながらそう言ってきた、そんな事ないと誤魔化そうとしたがイヴちゃんはもう私が答えを出している事を分かっているかのように私をジッと見ていた

そんなイヴちゃんに少し謝りながら扉に数字を入力した、するとカシャンと鍵が開いた音がした、イヴちゃんと目を合わせてから扉をゆっくりと開けた

思わず、どうかこの扉で帰れますようにと願った
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