白銀花が咲く夢を見る
□第四訓
3ページ/3ページ
銀時達が帰った後が今日一番面倒くさかった、銀時とどう言う関係なのかやらいつから知り合いだったのか等副長に質問攻めにあってしまったからだ
どうやら副長は銀時の事が前から気に食わなかったようで随分と怒られてしまった、だが頭に血が上っていた分誤魔化すのも上手くいけた
「銀時とは昔よく遊んだ仲でした、ついでに言えば神楽は最近知り合ってて……メガネ君は知りませんけど、多分いい子だと思いますよ」
銀時の仲からサラリと話題を変えて銀時の事を少しでも薄れさせる、結局副長に何十分か怒鳴られてしまったがこれくらいはよくある事だ
とにかく私の素性が悟られなくてホッとしている、この真選組の中でカンが鋭いのは沖田と副長だからこの二人には隙を見せてはいけないと思っている
「万事屋にはなるべく近付くなよ花無為ィィ……」
「わ……分かってますから、とりあえず眼光をそんなに鋭くしないでくださいよ……!!」
副長はやたらと私にそう言って脅してきたが正直やめて欲しいものだ、眼光が元々鋭い上に私の秘密がバレた時の仕打ち……様々な事が知られると私の不利になる
なるべく副長から離れたいが立場上近くにいないといけないのでそれが一番厄介だ、副長が見ていないところで私は思わず静かに溜め息をついた
銀時も公衆の面前であんな行動をしなくてもよかったのでは……?と思うが死んだと思われていたので生きていたらそりゃああんな行動もすると自己解決して私は筆を走らせた
とりあえず局長には銀時の事を言わないでおこうと思った、何せ今は攘夷活動をしていないし神楽やあのメガネ君と仲良くやっているようだし……今の銀時の生活を奪いたくないからだ
結局私は元仲間には甘くて、このままではヅラや高杉を捕まえる時に苦労するのではないかと思ってしまった
「うう……私はなんて……なんて奴なんだ……」
「……あ?どうした花無為」
「いえ……ただなんとなく困ってるだけです」
「なんとなく困ってるってなんだよ」
思わず頭を抱えて唸ってしまい副長に聞かれ、不思議がっていたがそれ以上の事は聞かなかった
私もそろそろ本当に腹を括らないと後で後悔する事になるのは分かっているのだが、ヅラと高杉は仲間なのだこれからも立場が違っていても仲間だった過去は変わらない
今は宇宙に行ったっきり消息がわからないもっさんはきっと攘夷活動はもうやめているからそれだけが救いだ
そう言えばもっさんは生きているのだろうか、なんて考えていたらヅラ達の事なんてもう頭の中にはなくて私はケジメを付けるいい機会を無駄にしてしまった