Short2
□襖一枚分の怒り
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俺はナマエの部屋の前で座っていた
何故、この万事屋銀さんこと坂田銀時が女の部屋の前で座っているのかと言うと、別に覗きとかそういうのじゃない、断じて
理由は俺は長谷川さんに誘われて、朝まで酒を飲みまくっていた
ナマエが、俺の帰りを待っているのも知らずにだ……
どうやらサプライズで俺に夜ご飯を作って待っていたナマエは、ほとんど寝ずに俺の帰りを待っていた
そして、そうとも知らずに長谷川さんと別れ、千鳥足で万事屋に帰ってきた俺を見てナマエは珍しい事にキレた
「このクソ天パ、もうアンタなんて知らない」
「ちょっ……そりゃないんじゃないの!?」
「うるさい、お前は永久にグラサンとグビグビ酒でも飲んでろ」
「待てって、話を聞いてくれ……」
「聞きたくもないわ、お前の戯言なんて」
「あのなぁ!!サプライズでやってくれるのは嬉しいが、何も知らなくてただ酒を飲んだだけなのになんでこんなに怒られないといけないんだよ!!」
「怒鳴るな」
「はい、すいません」
いつもとは違うキレ方に強気で言った俺の言葉は一喝された
そして、俺の彼女、ナマエは俺の顔を一回も見ずに自分の部屋の襖に手をかけて
「……私が怒っているのは酒を飲んでいた事じゃない……」
と、悲しそうな目でそう言った、そんなナマエに俺は慌てて何で怒っているのか聞いた
「じゃあ何でそんなに怒っているんだよ」
「……覚えていないなんて……最低だよ」
俺の言葉にナマエはまた悲しそうな目で言い放ち、襖を強く閉めた
「……なんなんだよ……」
俺の呟きはナマエが思いっきり閉めた襖の音でかき消された