Short2

□もしもシリーズ
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もしも液体化したら(銀魂)



雪が積もる程降った日、私はコタツでゴロゴロしていた


「ナマエ……テメェな……」

「んー?なんですか?」

「仕事サボってゴロゴロしてんじゃねぇよ!!」


ゴロゴロしてたらこめかみに血管を浮かばせた副長が怒鳴ってきた


「まぁ、いいじゃないですかぃ、仕事なんてあるようで無いようであるものなんですから」

「それ、結局あるんじゃねぇか!!自覚してるんだったら仕事しやがれ!!」


私の代わりに沖田が副長に言い返した、すると余計怒鳴ってきた副長

それを無視してみかんの皮を剥いていると


「そう怒鳴るなトシ、俺も寒いからあまり動きたくないんだよ」

「……近藤さん、リーダーがそんなんだから部下達が……」

「大丈夫だ、それよりこのみかん美味いぞ」


と、局長がコタツの中から出てきて、みかんの皮をどっさりと副長に見せた

そんなやり取りを見て、溜め息をつきながらみかんを食べようと口に運ぼうとした時


「……あれ」


急にみかんがデカくなった

いや、私の周りが全て大きくなった


「え?なにこれ」

「ナマエ、テメェはさっきからうるせ……あ?ナマエ……?」

「副長、どこ見てんですか、ここですよ……って……あれ?副長デカく……あれ?」


副長が私にうるさいと言い、全然別の方を向いて言ったが、副長がデカくなってる


「ナマエさん……?」

「沖田、ここだここ」


沖田も副長と同じように全然別の方を向いている


「……あれ?なにこれ……」


下を向いて見ると、ある筈の下半身がなく、ただあるのは水のような液体

……なにこれ、お漏らししちゃった?この歳で!?いや……これ……え?

頭の中でパニックを起こしていると


「ギャァァァァ!!トシ!!総悟!!ナマエが溶けたァァ!!」

「イヤァァァァ!!溶けてるゥゥゥ!!」


局長と同時に叫んだ

今ようやく理解した……信じ難いが私は液体になってる……なんでだ、なんで液体!?そんなにコタツに入っていたか!?


「ナマエさん……どうなってんですかぃ……」

「分からん、私が知りたい」

「…こ……これはコタツの呪いだな……ナマエ、お前はコタツの神の怒りに触れたんだ、な、近藤さん」

「トシ……それなら俺もそろそろコタツの神の怒りに触れてしまうぞ……」


副長のくだらない言い分に少し腹が立ったが、私が液体化したのには変わりない


「……とりあえず、瓶かなんかに入れてくれ……このままじゃ熱で気体になりそう……」

「わ……分かりやした!!」


沖田にそう言い、入れ物を持ってきてもらうことにした

私の体はスライムのような硬さの水のようになっている


「ナマエ、動けるのか?」

「動けます……なんとか」


局長の言葉を聞いて体を動かしてみた、私の体はゆっくりと移動したが


「ギャァァァァ!!下半身が落ちたァァァ!!」

「なにしてんだよ!!」


移動した瞬間、下半身にあたる部分が机の上から落ちた

私の叫びを聞いて副長が手を添えてきた


「ちょっ!!どこ触ってんですか」

「あぁ!?」

「そこ、くるぶしです!!」

「くるぶしごときで騒ぐな!!」


危機的状況でも副長を馬鹿にしながら下半身を机の上に乗せる

ひと安心して溜め息をついた時、沖田が瓶を持ってきてくれた


「よくあったな、こんな瓶」

「ラムネの瓶でさぁ」

「ベタベタするのはそのせいか…」


沖田はラムネの瓶の中に私を入れた

窮屈だし、ベタベタするけど今はこれで我慢するしかない……

とりあえず今は気体になったりしないように気を付けよう……

これからめんどくさくなる事を想像して、液体なのに溜め息が出た




あとがき


十二月三十日に拍手でリクがあり、自信はありませんでしたがやってみました

液体化という斬新な小説を書いてみて、本当にこれでいいのかと思っていました

期待に沿う小説を書けたか分かりませんが、リクエストありがとうございました

これからも根なし草をよろしくお願いしますm(_ _)m
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