10000HIT御礼企画
□11、胸
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11、胸
「うぅ……ナマエ」
「……」
「ナマエ〜頼む……」
「……無理」
「何故そのバスローブを脱がぬのだァァァ!!」
「ふざけてんのか!!脱ぐわけ無いでしょ!!バカッ!!」
なぜ私はこんなことになっているのか……最近DIOがおかしいのだ、やたら脱げ脱げと言ってくる
何をするつもりなのか分からない、知りたくもないけど、しつこくて仕方ない
やたら言ってくるのに、バスローブを着替えると止めるので何がなんだか……
「ハァ……DIO、いいから私の部屋から出てってよ……てか、なんでいるの」
「なに!?このDIOが部屋に居ると不満なのか!?どの辺だ!!どの辺が不満なんだ!?」
「……カリスマ性どこ行った」
まだ後ろで言ってくるDIOを完全に無視をしながら私はベッドに入る
DIOにとっては行動時間でも私にとっては睡眠時間なのだ
「ナマエ、何故ベッドに入る!?」
「うるさいなぁ……もう眠いの」
「WRY……」
ベッドに入るとやはりDIOは拗ねたようにそれ以上近付かない
これぞお布団結界だろうと呑気な事を思っていると、DIOは急に目をつむり
「お布団結界破ったWRY」
と、いきなり目の前に現れた、瞬間移動でもしたかのように錯覚したが、一度、部屋で時間を止めれたとか、これなら無敵とか、名前は"ザ・ワールド"だとか、エンヤ婆とはしゃいでいた事を思い出し、スタンドを使ったのだろうと理解した
それよりも、何故に私のお布団結界の事を知っているのか、それが謎だった
「ちょっ……DIO降りて、もしくは死んで」
「ンッンーナマエの体温、居心地がいいな……」
「えっ!!ちょっ!!なに抱き着いてんの!!キモイッ!!」
「WRY……ナマエ、どうしたらお前は振り向いてくれるのだ?」
「名前を呼んだらいくらでも振り向くから!!だから離して!!なんで顔を下に移動させていく!?」
そんな言い合いをしながら私達は攻防戦を繰り広げた
だが、そんな無意味な攻防戦もすぐに幕引きになった
DIOが……DIOが、私の胸に値する場所にキスをしだしたのだ、無論バスローブの上から、直接やったら私が殺す
「ギャァァァァ!!この変態がッ!!」
「WRYYYYYYYY!?」
一回なら半殺しで許したものの、DIOはなんと何度もキスをしたので、私は色気と何もない叫び声を上げて、DIOをグーで殴った
DIOは相変わらずの声を出して、私を抱き締めたまま、ベッドから落ちた
「いっ……痛……」
「……ナマエ、もう少し女らしくしてくれ」
「うっさいッ!!いつまで抱き締めてんの!!離して!!」
ベッドから落ちてもなお、抱き締め続けているDIOを軽く叩きながらそう言うが、DIOは逆に強く私を抱き締めた
いつもならこれだけ酷く罵れば素直に離すのに、今は何故かDIOは少し切ない顔をしている
ますます疑問が生じて、混乱していると、DIOは私の肩に顔を埋めながら
「……ナマエ、ナマエはこのDIOの物だ……だから……」
と、なにか考えながらポツポツと話し出した、そして途中で黙った
名前を呼ぼうとした瞬間、肩にピリッと痛みが走り、私は思わず口を閉じてしまった
「どこかに、印を付けたかったのだ……」
どうやらDIOは私に自分の物だという印を付けたかったらしい、まるで子供のようだと呆れた瞬間
「なんなら、もう一度その胸にキスして、印を付けてもいいぞ!?」
と、カリスマ性をまた崩したDIO、そんなDIOを私は今度は思いっ切り殴り、床に一瞬めり込ませた後、肩に付いた鬱血痕を消すため、バスローブをもう一度羽織り、軟膏を探しに廊下に出た
カリスマ性スイッチが入ったDIOの事を一瞬カッコイイと思った自分を殴りたいが、代わりにDIOを殴ったので良しとする
胸……所有(自分のものとして持つこと、また、そのもの)