紡がれる声

アタシのうた 聞こえますか?

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05/10(Sun) 00:38
リピート
みこと

一日の終わり
黒の時間が訪れる
今日のわたしは
一度死ぬ
明けて目醒めれば
生き返る
くりかえし
くりかえして
本当の終わりまで
不完全な
生を紡ぐ
境目など
いつも不確定だ
求めても仕方のない
まやかしだ
本当の己だ何だと
御託は要らない
途切れたって
この躰は
まだ生きている
それだけがきっと
真実なのだから
意味も要らない

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04/27(Mon) 16:23
深淵


わたしの眼は深淵なんだと
あのひとが言った
何も映すことのない、黒
底のない、穴
それでもわたしは、視ていたんだよ
覗きこんだあのひとの姿を
この眼に映したはずだったよ。

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04/27(Mon) 01:12
みずのいろ
みこと

降りしきる、降りしきる
雨のいろは、透明

私の四方1メートルの囲いを
笑いながら満たしてゆく

頭のうえまで浸しては
やっぱり笑って泳がせる

息をうばわれ、みずに包まれ
踊るように私は沈む

見慣れた景色が、いろを失う

雨の溢れる囲いのなかで
溺れた私も笑ってみせる

いろのない、みず
すべてのいろを、うばう雨。

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04/10(Fri) 01:38
夜想曲
ミコト

ピアノの調べが色づく
宙をなぞる指が、不規則に空気を揺らす
今宵はフォーレ
眩しいセカイに疲れたら
夜に馳せる時間
またバラバラと壊れてしまう前に
安らかな黒の中で眠れるようにと
身体すべてを震わせて
音を吸いこんで
大切にしまい込む
あの子と一緒に、胎内へ
しまい込んで眼を閉じる

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01/01(Thu) 20:56
流れる


冷えている爪の先で、頬をなぞれば
私という入れ物の、りんかく

この冬も流れてまた、春を過ぎる

たゆたう緑も不動の銀白も
私がいるこの場所に変わりない

変わるのは
流れゆくのは、時

いつのまにか、きっと
置き去りの記憶が点在する道を
歩き終える

誰かと共にあった『生』を
振り返り、少しだけ惜しんで
別れを告げる

たったそれだけのこと。

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12/28(Sun) 01:45
Unknown


僕が手を伸ばしてもつかめなかった、あの日の未来は
顔も知らない誰かのものになったってさ

幼い頃、君が知らなかった世界の光は
周りの誰もが知ってたってさ

どちらだって、さも当たり前のように

悔しいと思うかい
無力だと嘆くかい

何にせよ、夜は明けてしまうのは
笑えてしまうほどに真理なのに

僕も君も
あきらめて眠ることが怖かったんだ
そう言ったんだ

今、年月が過ぎ去って
共に聴いた祭囃子も、記憶のかなたへ隠れて褪せた

僕は変われましたか
君は幸せを知りましたか

いつの日も
誰かの手に奪われて、誰かの手から与えられる
ときの流れを泳いだ果てに

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11/18(Tue) 00:02
終わりの始まりと


青白い明け方
五本の指は黒いシルエットで
繋ぐ片方を失くしたと
ぼんやり思い出す

いつか離れるとわかっていたから
楽しいように、笑って話した
その事も今は過去

よかったよ
これでよかったよ

二人を終えたから、今
一人と一人で私達はまた、はじまる
そうして歩いて行く道で
振り返ったとき
互いが笑顔であるように

さようなら
迎えよう
終わりの後にやってくる、はじまりの日々を。

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09/10(Wed) 01:02
月詠みの夜


灯りを消して カーテンを半分だけ開けた
幾年かぶりに 月の光を浴びる夜半
肌の上を微かに滑る儚い粒子に
わたしから触れることは、決してない
それでも焦がれていた
幼い頃から 手を伸ばしていた
きっと今夜だけは 誰も彼もがあの月を愛でているんだろう
どんな時も在り続けることも、想わないで
何故だかとても哀しいわ
わたしはずっと 片時も忘れなかった
とわの片恋のようだというのに
叶うならあの光のもとで 生きていきたいけれど
代わりなどないものの尊さを 叶わないことの愛しさを
忘れないわたしでいるために
遠く離れたこの地の上で 暮らしてゆくのだろうから
きっとこれは、生きる限りの片恋
わたしのなかで 唯一けがれない想いのかたち。

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