小説
□キャプテンの試練
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壁山「…そんな……!信じられないっス……」
秋「風丸くんが…イナズマキャラバンを降りた……!?」
翌日、風丸の離脱が全員に伝わった。
昨日風丸との別れの後、気づいたら俺はバスの前に立っていた。どうやって戻ってきたかも憶えておらず、自分の気持ちを整理する為にすぐ眠りについた。
そして朝、バスの外に皆集まっているのでその事を伝えようと思ったが、既に円堂か誰かが話したらしい。近くにサッカーボールが転がっていた。
栗松「風丸さん……っ」
円堂「ッ……!」
鬼道「監督、本当なんですか…?」
円堂が俯き悲しそうな表情を浮かべる。他のヤツらも動揺を隠せぬ中、鬼道が監督に訊ねた。
瞳子「…えぇ。既に東京に戻ったわ」
秋「どうして止めなかったんですか!?ここまで一緒に闘ってきた仲間なんですよ!?」
瞳子「サッカーへの意欲を無くした人を引き留めるつもりは無いわ」
秋「っ…!」
木野の叫びに監督は冷たく言い捨てた。何人かは監督を睨むように見つめた。
瞳子「…私はエイリア学園を倒す為にこのチームに呼ばれたの。着いて来れないならば、出て行ってもらって結構」
土門「ああそうだったな!!アンタは勝つ為ならどんな事でもするヤツだもんな!!吹雪が二つの人格に悩んでたのを知りながら、試合に使い続けるぐらいなァッ!!!!」
瞳子「………練習を始めなさい。空いたポジションをどうするか考えるのよ」
怒りを剥き出しにした土門の叫びにも監督は動じず、少しの間の後、そう言ってどこかへ行ってしまった。
………もう怒る気力もねぇわ。
土門「…〜っ!へいへい、女王様!!」
壁山「……こんなんじゃ、練習出来っこ無いっスよ…」