小説
□イプシロン襲来
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辺りが朱に包まれ、もうすぐ日が暮れようとしていた。
スト…ヒロトと入れ違いで先程帰って来た風丸達と夕食を待ちながら、主要メンバーで会議が始まった。何となくいる俺。
アクト「………やっぱ駄目だったか」
風丸「あぁ…闘う気は無いみたいだ」
想像通りの結果だな。本当に石頭ばっか。あと、染岡が邪念あるから何たら言われたらしい。邪念て。思わず吹いた。
風丸「…で、どうする?」
風丸が円堂達に視線を戻す。うーんと唸り染岡が口を開いた。
染岡「どうするって言われても、漫遊寺があれじゃな…」
塔子「全っ然分かってないんだもんなぁ…」
塔子が上を向き大きく溜め息を吐いた。俺はバスに体を預け円堂を見る。円堂は何か考えていたようだが、やがて笑みを零した。
円堂「考えても仕方無いさ!オレ達はオレ達で、今できる事をするだけだ!」
一之瀬「できる事?」
風丸「特訓、だな?」
円堂「あぁ!相手はエイリア学園ファーストランクチーム!こっちももっと特訓して強くなんないとな!」
皆の目の色が変わりすっかりやる気になった。円堂さんパねぇっす。恐るべしカリスマ性。
一之瀬「そうと決まれば早速練習場所を探そう!」
吹雪「練習場所ならあるよ」
アクト「あ?」
全員が吹雪の声の方向を見る。そこにはここに来た時と同じような光景があった。
吹雪「この向こう側に川があって、その河川敷でサッカーできるってさ。ね?」
「「はいぃ♪」」
吹雪「また何かあったらよろしくね?」
アクト「……」
風丸「………」
アクト「…チッ」
風丸「!?」
何か今日は色々鬱んなるわ…別に羨ましくねぇケドよ。
俺だけじゃなく、風丸達もその光景を見て苦笑いするしか無かった。
風丸「…なぁ、虚埜。さっき言ってた変態ってどういう事?」
アクト「……さぁな」
何か気になってたっぽい。