小説
□別れ。そして出逢い
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空は鮮やかな朱に染まっていた。
オレ達は今、奈良で最初に来て塔子と出会った公園に来ている。
ここもヤツらにより被害が出ており、この公園のシンボルである鹿の像は首から上を無くしている。
円堂とマネージャー以外のメンバーは監督の指示でバスから少し離れた所で待機していた。
円堂はバスの中だ。
打ち所が悪かったのか、あれから目を覚まさない。
マネージャー達が様子を見ているらしいが大丈夫だろうか。
そんな重苦しい雰囲気の中、塔子が口を開いた。
塔子「ゴメンよ皆…私が一緒に闘おうなんて言わなければ、こんな事にはならなかったんだ…」
風丸「塔子のせいじゃない!…オレ達に力が無かったんだ…」
………風丸の言う通りだ。
それに塔子に会わなくてもどうせヤツらと闘うつもりだったんだ。きっと結果は同じ、いや…もっと悪かったかもしれない。
風丸「…円堂は大丈夫かな……」
「かなりシュート喰らってたからな…」
風丸と土門の言葉に皆がバスの方を向く。
今はただ、円堂の無事を祈るしかない………