遊戯王ZEXAL accelaidd
□序章〜ある少年の言葉〜
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四年前のとある道端にて……………。
1人の子供が深く俯いていた。
その目は死んだ魚のように沈み、年相応の明るさは感じられない。
そこへある少年は彼に近づいた。
少年「どうしたんだ、そんなに俯いて?元気出せよ!」
彼はその子供を元気づけようと声をかけると、子供は今にも消えそうな声で呟いた。
子供「…………デッキ………大事なデッキ……………とられちゃった………。」
子供の声からは悲しみと悔しさが今にも込み上げてきそうであった。
少年「何だって!?誰だそんなことする奴は!?絶対許さねぇ!!」
子供「いいよお兄ちゃん!!……………僕もう決闘なんてやらないから」
少年「でも……《決闘》好きなんだろ?」
子供「…………うん」
少年「だったらこのデッキをやるよ!!」
子供「え?」
少年「決闘したくてもデッキがなくちゃ仕方ないからな、これでそんな奴らやっつけて見返してやるんだ!!」
子供「でも、そんなことしたらお兄ちゃんのデッキが………」
少年「心配すんな、俺は大丈夫だ!」
少年はそう言って子供にデッキを渡した。
子供「……………ありがとう」
少年「よし!それじゃあ俺と約束しよう」
子供「…約束?」
少年「そうだ。どんなに辛いことがあっても《かっとビング》して乗り越える!!……ってな」
子供「《かっとビング》って……何?」
少年「《かっとビング》ってのはなぁ……どんなに辛くても、例え無理なことでも諦めないで挑戦することさ!!」
子供「………わかった、約束する」
少年「おう!そのデッキ、大事にしてくれよ!!」
子供「うん!!僕も《かっとビング》するよ、お兄ちゃん!!」
こうして彼らは別れていった。
これが後に伝説を作る二人の決闘者の最初で最後の会話であり、熱き魂を受け継いだ瞬間であった…………。
序章 終