黒と白
□新しい囲碁部
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「誰?こいつ?」
アカリに聞くヒカルに、少年は咳払いをして、答えた。
「僕は、磯部 秀樹あんた入部希望者?だったら、一局打とう僕に勝ったら。入部認めてあげてもいいけど、まあ無理だろうけどね、」
名乗ると、ヒカルが何も言わないうちに、ペラペラとしゃべると、さっさと碁盤の前に座った。
「ちょっと磯部君、ヒカルは」
アカリが説明しようとするが、それに耳を傾けず、ヒカルに早く座れと促した。
「いいぜ、打とう。」
ヒカルは、アカリを止めて、言った。
「いいの?ヒカル?」
「構わないさ」
そう言うとヒカルは、そっとアカリに耳打ちした。
「ところで、あいつ何時もああなのか?」
「うん。それで男子部員集まらなくて、・・・」
アカリは、ため息をついて、部員名簿を見せた
「何やってんの?早くやるよ」
「ああ」
ヒカルが席に着くと、磯部が”ふん”と鼻を鳴らしていった。
「石おかせてあげるよ、どうせ勝てないだろうし」
「……いや、いいよ」