黒と白
□"つける"か"かける"か。
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とうとう降り出した強い雨音を聞きながら、ヒカルは明日の準備をしていた。明日は広島での手伝い、佐偽がいなくなって初めての手合い以外の仕事だ。
「あと、いるものはっと……」
ピンポン
ヒカルが確認しているとチャイムが鳴った。昨日から母親があてた一か月旅行券を使ってあかりの母親と泊まりで出かけているので、ヒカルしか家にいない。
「誰だよ、こんな雨の日に」
ヒカルがしぶしぶ、階段を下りて玄関の戸を開けると、そこには豪雨でぬれたアキラがたっていた。
「なっっ……塔矢!!!」
ヒカルは驚いた、そして慌てて塔矢を招き入れる。
「どうしたんだよ!!」
北斗杯の選手が決まるまで碁介所には来ない、つまりは、合わないと言ったことはまだ記憶に新しい。
「しばらく、泊めてくれないか」
アキラの言葉にヒカルは言葉を失った。