BITE ME!!

□第六話: 視線
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「!」


・・・・これで三回目。

なんでか今日はジュリオとやたらと目が合う。

というより、視線を感じる。

何か私に言いたいことでもあるのだろうか・・・。

あんまり話が得意じゃなさそうだし、ここは私から切り出してあげるべき?


「!」


また目が合った。

これで本日4回目。

もう笑顔で返すだけっていうわけにはいかないよね。

・・・よし。


「ジュリオ!」

「!?」

「んーと・・・あのさ。何か私に言いたいことでもあるの?」


我ながら直球な質問をしてしまった。

もっとうまく出来ないのか・・。

ベルナルドとかジャンあたりならさらっと出来るのかな。

うん、上手そうだな。

ま、それはさておき。

ジュリオさん?

お返事が返ってこないのですけど?


「ジュリオ聞こえてる?」

「・・・・・あぁ」

「じゃあーー」

「何も言うことは、ない」

「・・・・。じゃあ何でそう言いながら目をそらすのかしら?」

「そ、それは・・・・」

「んー?」

「うぅ・・・・・・」


私が問い詰めるほどどんどんとジュリオは俯いていく。

ジュリオの方が大きいのに、なんだか変な感じだ。

その構図はまるでいじめっこといじめられっこ。

私達を見かねたジャンが間に入ってきた。


「ユイちゃん、ジュリオいじめないだげてー」

「ジャン、さん・・!」

「ジャンっ。だって、なんか今日のジュリオ変なんだもん」

「男の子にも色々あんだって。なぁ?ジュリオー」

「は、はい・・・」

「なにそれー」
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