コーリング・リフレイン
□1:教えてほしい日常
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質問です。
ここはどこですか。
いやいやいや!
本当にどこ!?
というか!!
あたしは……誰だ?
あ!名前は解るんすよ。当然エリザっすね。齢は18。ちなみに某電子の歌姫好きっす。
でも、自分は何をしてたのか、とか故郷や身内が全く思い出せない。
ざっとまとめるとこうなる。
▼エリザ
レベル(年齢):18
装備:Tシャツ短パン、ヘッドフォン
技は………無いわ。
ていうか何だよこのチャラめの黒いヘッドフォンは。
首に引っかけてあったこれを耳に装着する。………厨2くさ!くもないか?
「さ〜て、音楽は何を流すか!?」
うわ、見事に某電子の歌姫系統しかない(笑)
『こんにちは』
…………え?
不明なアーティスト項目のタイトル不明のナンバーから途端に耳元に“あたし”の声が突然流れ出す。
これって…………………
ヘッドフォン○クター的な展開に『違います』
うぬぉ!?遮るな!
『改めてこんにちは。あたしはヘッドフォンの妖精です』
「へー。何て呼べばいいっすか?」
スルーを決め込む!何だよ、ヘッドフォンの妖精て!!それこそ厨2病や!
『テキトーにいいよ』
というか端から見たらあたしは相当頭可笑しい人っすよね…周りに人は…いないな。
「じゃあさ、アリスって呼ばせてもらってもいいっすか?」
『別にいいよ、で。いつか来たるべき時になったらちゃんと名乗るよ』
「うん」
『じゃあ、あたしを疑わないで。この先にハッピーツリータウンっていう町があるわ』
ハッピーツリータウンと。
RPGっぽい町名だ。
『そこに行ったら、君の記憶や出生の手掛かりとなるものがあるよ』
「!」
あたしの記憶………の手掛かり?
『知りたくない?』
あたしには肯定する以外の選択肢はなかった。
この声に従い、後悔するのはもう少し後の話────。