ハピツリ短編
□My Favorite Boots is…?
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「エリザ、一緒に昼食でもどう?」
『いいねいいね!この辺に新しいハンバーガーショップできてるからそこ行こう!』
とメールで約束して落ち合うこと30分後。
『やっほー。ペチュニアのそのブーツ可愛いね』
「あら、ありがとう」
嬉しそうに微笑むペチュニア。
そのブーツはお気に入りらしい。
青いジーンズの短パンに、茶色い膝下の丈の革製ブーツを履いてらっしゃるペチュニアは何というか…“おしゃんてぃー”なラフスタイルだった。
それに比べ、あたしは赤に白いラインの入ったジャージ、中のTシャツには『反省中』と筆文字で書かれた白Tである。
ちなみにジャージは上下セットで膝下まで折り曲げてる。
何なんすかね、この月とすっぽん的なのは。
というかあたしの今の格好って「近所のマンションに住んでるコスプレ趣味のヲタ趣味ヒキニートお兄さん」じゃんか。そもそも女ですらなくね!?
「エリザ……」
やめて!そんな「お前18歳女だろもっとオシャレしろよていうかジャージとかないわー」な目!
「取り敢えず行きましょっ」
『おー!』
しばらくは世間話でもして恋バナ…は解らんけど、ガールズトークでもしながら休日を謳歌する───────
ハズだった。
【TAKE1】
ドォオオン!!
爆音と砂埃。
突然、こんの似非ヒーロー(変態属性)はやってきた。
『………』
「やあエリザ!今日も君は綺麗だね!」
『永遠にさよーならペチュニア早く行こう』
「はははエリザはツンデレだね!」
誰がお前にデレるか!あたしはお前に一生デレないことを誓います!
「ところで、今日のエリザはジャージなんだね。というかそれって私のジャージと色違いじゃないか!」
え!?あ、………………
mzdk!!
うっぎゃー!どうしよう!これ!今現在持ってる楽な服ナンバーワンなのに!
『ていうか抱き付くなー!離せそして《ピー》!!』
「女の子がそんなこと言ったら下品だよ?」
取り敢えず、その場はしのいだ。
必殺『また今度』だがその今度は永遠に訪れない…フッ。
「さ、災難だった、わ、ねぇ…」
『ペチュニアーーーー!!?』
ペチュニアが過呼吸になっていた……どうやら英雄(ひでお)の登場時の衝撃で飛び散った砂、泥を浴びたらしい…。
【TAKE2】
「あー、エリザやっほー」
『あ!ランピーじゃん!』
手を振られたので振り返す。
…………ん?
『ちょ、ランピー。
その返り血様は何をなさったんすか』
なんつーミスマッチだよ。何か違和感なかったよ。
「あー。多分これ、カドルス」
『「カドルスーーー!!」』
何をしたランピー!
ペチュニアと共に叫んでもうたやないかいっ!
「2人でどっか行くのー?」
『うん。ランチに行くんすよ』
「そうよ。あとランピー、今すぐその血を落としてきて日光消毒、アルコール消毒してシャワー浴びてきて洗って洗っ洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗洗」
ペチュニアさん、それ、軽く病み女になってますぞ。
「えー、そんなに洗ったら皮膚はげるよー」
『はげない!』
「と、ととととにかく不清潔!早く洗ってき…………」
『ペチュニアーーーーっ!!?』
いやー…でもペチュニアは頑張った!君は頑張った!今日の貴方には国民栄誉賞をやってもいいと思う!
【TAKE3】
『やっと着いたね…あれ、ここって一時間もかかる場所だったか』
「通常ならかからないわ、恐らく」
つまりあたし達は運がないと←
まあ事実だしなぁ…何も言えねーっすペチュニア姐さん←
『さあ早くハンバーガー食べて店内の涼しい空気に癒されに…!』
ドアを開けて入ったら
浦和がいた。
「よぉお前ら。ちょうど良いところに来やがったな」
最高のバッドタイミングでしかないっすね!
それよりペチュニアは店内の床に嫌というほど溜まった血でブーツが汚れて失神寸前。
いや、そっちか!?
『か、ここここんにちは覚醒さんそしてさようなら!』
ペチュニアの手を引いて逃げる。
というか…
覚醒、足速っっ!!
その後どうなったかって?
ははは。
きっちりぶっ殺されたに決まってるじゃないっすかあっはっは!!
あー…泣きそう。
My Favorite Boots is…?
(もうTAKE4は結構です)(ハンバーガーはまた今度…)