book-Rs〈過去作品〉
□わからない心-7
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突然の告白は、今朝のことです。
「ジュビア…すまない。」
「リオン様?」
「今、ジュビアにはまじないがかかってるんだ。」
おまじない…?まさか、昨日のお茶は…!?
「今、自分を一番想ってくれて、かつ、幸せにしてくれる相手をジュビアは好きになっているはずだ。」
「!…それは、本当ですか?」
昨日から、リオン様が気になって仕方なかったんです…
そう素直に告げれば、リオン様は涙を浮かべて喜ばれました。
ありがとう、と。
「ジュビアは俺が幸せにして見せる」
「リオン様…」
「俺を、選ばないか?」
真っ直ぐな眼差し。ジュビアは、リオン様を選びます。
だって、ジュビアの幸せは…
「ジュビア!聞いてるのか!?」
「っ…ごめんなさい…」
目の前の、愛しかった人。
どうして、 怒っていらっしゃるの…?
「グレイ様に…ジュビアが…」
涙が、止まらないです。もう、グレイ様を好きな私はいないのに、リオン様を、選んだというのに…どうしてこんなに、悲しいんでしょう…?
「付きまとわなくなって、嬉しくないのですか…っ!」
「…………」
何か…答えてください………グレイ様
「………」
グレイ様………
「嬉しくねぇよ」
「え?」
「俺は、お前が…ジュビアがリオンのとこに行って初めて素直な気持ちに気づいたんだ。」
「どういう、意味ですか…?」
「俺は………リオンなんかよりも………」
…………
ドサッと言う音、紡がれなくなった言葉。
「グレイ様!?グレイ様っ!グレイ様ぁっっ!」
そっと、おでこに触れてみました。
触れた手が、とても熱くて驚きを隠せません…幸い、グレイ様のお家が近かったのでお家へ運びました。
グレイ様、こんなにお疲れになっていたなんて。
「グレイ様…」