book-Rs〈過去作品〉
□わからない心-2
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「グレイ様!?…と、ロキさん」
後ろを振り返ってみるとグレイ様とロキさんが立っていました。
「グレイ、貴様何のつもりだ?」
「何って…ロキが追いかけるって言うから」
「全く、素直じゃないねぇ
グレイは二人のことを心配そうに見ていたじゃないか」
「はぁ!?」
「俺にジュビアが取られるのが心配だったのか」
「違ぇよ!」
「そうですよ、グレイ様がジュビアのことを心配するはずがありません」
「はぁ?お前何言って」
「リオン様、ジュビアあの丘に行ってみたいです」
「おぉ!あそこはとても眺めがいいんだ
さぁ行こうジュビア」
リオン様がジュビアの手を握りました
ジュビアはその手に引かれて歩きます
何故か今日はそれがとても嬉しくて、離す気になれませんでした
遠ざかるグレイ様との距離
それすら寂しいと思えません
グレイ様が何かこちらに向かって叫んでいますが、聞こえませんでした
「なぁロキ、今日のジュビア…」
「ジュビアもとうとうグレイに愛想つかしたんじゃない?」
「……… 」
今日のジュビアは、どこか雰囲気が違った様な気がする…