book-Rs〈過去作品〉
□わからない心
1ページ/1ページ
今日は朝からいいお天気です。
ジュビアがこんなきれいな晴れた町を見れるのは、グレイ様のお陰です。
こんないいお天気の日は、お散歩でも行ってみようかしら。
ギルドにいてもグレイ様に相手にされません。
それは、とても寂しいことです。
「ジュビア!」
ギルドを出て少し歩いたところで、名前を呼ばれました。
「リオン様!?」
リオン様は笑顔で此方に駆け寄ってきました。
「めずらしいな、ジュビアがこんなところにいるなんて」
「そうですね…ジュビア、この辺りに来たのは初めてです」
「ギルドの使いか?」
「いいえ、今日は朝からいいお天気なので
この辺りをお散歩がてらに散策してみようと思いまして」
「そうか!なら俺も一緒させてくれないか?
この辺りのことなら詳しいぞ」
「本当ですか?それは助かります!ありがとうございます、リオン様」
リオン様は本当にこの辺りにお詳しいようで、この辺りに関するジュビアの質問に紳士に答えてくださりました。
終始リオン様はジュビアに話しかけてくださるので、全く退屈しません。
そればかりか、リオン様といると嫌なこと全て忘れさせてくれます。
「リオン様、あのお店は何を売っているお店ですか?」
青を基調としたとてもシンプルで、小さいきれいなお店に不思議とジュビアは惹かれていました。
「あぁ、あの店はオリジナルブレンドのお茶を飲ませてくれるところだ。
行ってみるか?」
「はい!」
お店の内装は白一色で、小さなガラス玉が瓶いっぱいに詰まっていて綺麗です。
「いらっしゃいませ、ご注文はお決まりですか?」
「あぁ、これを2つ頼む」
「かしこまりました」
ジュビアはこのお店に来るのは初めてですが、リオン様がおすすめのお茶があると言うので任せることにしました
しばらくしてお茶が運ばれてきました
気高く芳醇な香りです
何故か、気分がよくなりました
「そろそろ出ようか」
「はい、リオン様
お茶、すごく美味しかったです」
「きっとジュビアなら、気に入ってくれると思っていたんだ」
「リオン様…………」
お店を出るとリオン様は急に立ち止まりました。
「グレイ!いい加減に出てきたらどうだ」