book-Rs〈過去作品〉

□貴方の心で永久に咲く V
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なんで俺がこいつと出掛けてるんだ?
他のやつに任せておけばよかったのに…
何故か嫌だった。
他の男と買い物に行こうが俺には関係のないことだっていうのに …



「グレイ様?」



「ふぇ!?」



「あっ、ごめんなさい。驚かすつもりは無かったんです…」



ぼーっとしてたせいか突然呼ばれて体が跳ねた。
こいつといると寿命が縮む気がする…



「 会計を済ませてきますから…グレイ様は先に外に出ていて下さい」



ずっと店内にいたし、行きは少し曇っていたから気づかなかった。
今日はかなり暖かい、というか暑い
もう夏はすぐそこまで来ているという実感がわく。ってかもう夏じゃね?
そういえばこの時期になると心なしか寒色系で海をイメージさせるアイテムが多く売られている気がする。
向かいの店にもそういう商品が店頭に並べられているし…ほら、あの白と水色のストライプで碇の刺繍がはいってるリボンなんてよくジュビアに似合いそう…!?

なんでジュビアが出てくるんだ!?
海っぽいからか!?



「グレイ様〜!」



「ジュビア!?」



「はい?どうなさったんですか?お顔が真っ赤です…もしや熱中症!?」



「そんなんじゃねぇよ…大丈夫だ」



「ならいいんですが…今日は日差しが強いですからねぇ」



目を細めて空を仰ぐジュビアが幸せそうに笑うものだから、自然と俺もつられて笑顔になった。
あぁ、いつからこんな風になったんだろう…





きっとこの、俺の苦手な夏の陽気にあてられたんだろう。







にゃー


「!」



「わぁ!可愛らしい猫ちゃんですね♪…捨て猫みたいです…」



道端に置かれた段ボールの中には真っ白で首に青いリボンが巻かれた子猫が一匹…
それを見るや否やジュビアのテンションが上がって、この猫をギルドに持ち帰りたいと言う。
だが、当然そんなことできるわけもなく家を空けることの多いジュビア自身も子猫を飼ってやることができずに暫く段ボールの前で座って子猫と遊んでいた。


いい加減ギルドに帰らなくてはいけない時間になった。
ジュビアはとても悲しそうな顔をして助けてあげられなくてごめんね、と呟いていた。


















To be continue…

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