大宮BL小説BOX
□BELL 【ON】
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「抱かせて…」
その台詞を聞いた途端、
画面に映るのはJなのに
なぜか脳内では同じ言葉を口にする
智の姿がよぎった…
Jと付き合うあの人は
どんな顔でこのドラマを見ているのだろうか?
もしこの役を演じてるのが智なら、
オレは平然と視聴出来る自信がない。
演技だと分かってても
きっと嫉妬で相手の女優さんを
恨めしく思ってしまいそうだ。
そしてそんなことを思った自分に
その器の小ささに
きっと自己嫌悪に落ちるに違いない。
「はぁ〜」
すっかり場面の変わったドラマを
何となく見つめながら、
深いため息を一つついた。