大宮BL小説BOX

□mark 【ON】
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スマホのゲームにも飽きて

何気なく目の前にあった雑誌を手にした



某レギュラー番組の写真と一緒に

目に飛び込んできたのは


“美脚”の文字





本当は存在する脛毛



近くで見れば確認出来るし

度々触れてる俺は何度となく感じてる



でも女のそれとあまり変わらないほど

確かに薄くて柔らかい



だからって



男に美脚なんて言葉

俺の愛しいコイツ以外に

使われたことがあるのだろうか





一緒にいられればそれだけで満足だった


そばに来てくれるだけで嬉しかった



なのに

手にした途端欲張りになっていく



自分が驚くほど

次々と醜い感情が生まれていく



グラビアアイドルでもねぇんだから

こんなに肌を晒さなくても

いいんじゃねぇの?



なんて…



そんなことを思ってしまう自分にも

やきもきしてしまう





イラッとしている心を落ち着かせたくて

頭をかきむしっていたら

毒舌が聞こえてきた



「どうしたの?珍しい…

 怖い顔なんて似合わないよ、オジさんには…」



『これのせいだよ』

と言う意味をたっぷり込めて

“美脚”の文字に指を置いた



「ふ〜ん…

 こんなことでそんな顔出来るような感情

 貴方にもあったんですね」



可愛い顔とは裏腹に

やっぱりコイツは毒を吐く



でも「んふふっ」って小さく零した笑みに

また俺はトクンって胸を高鳴らすんだ



コイツは俺の天使なのかな?


それとも俺の心を惑わす悪魔なのか?





「またそんな難しい顔して…

 この時のこと、もう忘れたんですか?」



そっと俺に近付くと

俺の耳許で囁くように言葉を紡いで離れていく



そして何食わぬ顔でゲームをしてるつもりらしいが

その顔は耳まで真っ赤だ





そっか…


俺はすでに欲の塊だったな



お前に対する欲はもう

全くもって抑えられそうにないや



でもさっきの言葉は

そんなおいらを受け入れてるって思うからな、和





「内腿にあった貴方の愛の証…


 誰にも気付かれないように着替えるの

 大変だったんですからね」



「僕がそんなことを許してあげるのは

 貴方だけですよ、智」





天使でも悪魔でも構わない


俺はもうお前を離さない





さて、今夜はどこに残そうか


お前の白い肌に映える俺の欲の印を

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